どんな思い出も、みんな持っていていいんだよ「忘れもの遊園地」久米絵美里/作　アリス館

あ～あ、ひどい事言っちゃった……。

どうしてこんな失敗しちゃったんだろう……。

毎日楽しく過ごしたいのに、些細なことで大きな間違いをしてしまったり、恥ずかしい失敗をしてしまう事ってありますよね。

「もう全部忘れられたらいいのに！」

今回紹介するのは、そんな子どもたちの前に現れる不思議な遊園地の物語。

「忘れもの遊園地」

（久米絵美里/作、かわいみな/絵　アリス館）

うっかり大事なものを家に忘れてきてしまったトラタくんとレミちゃん。

取りに帰る時間がないと困っているふたりの前に、不思議なおじいさんが現れます。

おじいさんは「忘れもの遊園地」の園長さん。

不思議な力で忘れものを取ってきてくれる代わりに、ふたりにこう告げます。

「あなたの忘れたいことを、ご投稿いただけますか？」

いや～な記憶の代わりに大事な忘れものを取ってきてくれるなんて、なんて便利なんでしょう！

トラタくんはレミちゃんを、レミちゃんはママを、ふとしたことで傷つけてしまった記憶を忘れることにしました。

ところが……。なんと、レミちゃんのママは「自分」を忘れてしまったのです。

ママを探しに、レミちゃんとトラタくん、それにトラタくんのお姉ちゃんは、忘れられたもので出来た「忘れもの遊園地」へ向かいますが……。

誰にだってある悲しい気持ちや辛い記憶。

楽しかった事や嬉しかった事以外の出来事は全部忘れてしまっても良いのでしょうか？

一枚の忘れもののプリントからはじまる、大切で愛しい自分の心への旅。

読み終わったあと、ちょっと前向きに昔の思い出と向き合えるかもしれませんよ。

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