【殿堂入り】卒園・入学時に読みたい絵本5選【Junko Muneto 私の本棚から】⑨
3月はさよなら、4月はおめでとう。
卒園、卒業、入園、入学の季節ですね。
今年の卒園式は、園庭で行われたり、分散で行われたりとさまざまでしたが、子どもたちが卒園証書や卒業証書を受け取る姿はいつもと変わらず感無量です。
赤ちゃんだった子どもたちは成長して、立派なお兄さん、お姉さんになりました。みんな大きくなったね。
今回は、新たな世界へ羽ばたく子どもと一緒に読んでいただきたい絵本を、我が家の本棚から紹介します。
◆おおきくなるっていうことは
作:中川ひろたか 絵:村上康成 出版社:童心社
中川ひろたか氏の「ピーマン村」シリーズのなかでも卒園シーズンに特に人気の一冊です。保育者の経験を持つ中川ひろたか氏は、小さな子どもが自分で考えられるようやさしく語りかけます。
「おおきくなるってどういうこと?」「またひとつおおきくなった おめでとう」
お父さんやお母さんも、“昔は子どもだったこと”や“大きくなった自分”をきっと感じられるはずです。ぜひ一緒に読んでみてくださいね。
◆6さいのきみへ
作:佐々木正美 絵:佐竹美保 出版社:小学館
きみが6才になるまでに、いろいろなことがありました。泣いてばかりだったきみ、好き嫌いがひどかったきみ。お父さんもお母さんも一緒にがんばりました。そして今はとても素敵な6才。
卒園までの子どもの成長を丁寧に綴った絵本を通して、お子さんの成長を愛おしく感じることでしょう。巻末には作者である精神科医 佐々木正美先生から保護者の皆さんへあたたかいメッセージと解説がついています。 卒園や入学におすすめです。
◆いちねんせい
詩:谷川俊太郎 絵:和田誠 出版社:小学館
『小学一年生』(小学館)に連載された「いちねんせい」のオールカラーの単行本。谷川俊太郎氏の詩と和田誠氏の絵で、初めての学校生活に踏み出した新一年生の期待、不安、感動が生き生きと描かれています。お父さんやお母さんからお子さんに読んであげてほしい一冊です。谷川俊太郎氏の世界で小学校生活が楽しくなりますように。
◆にじ
作:新沢としひこ 絵:あべ弘士 出版社:アスク・ミュージック
新沢としひこ作詞、中川ひろたか作曲の歌「にじ」は、1991年に発表されて以来、長年歌い継がれ広く愛されています。保育園や幼稚園でこの歌を歌ったことがある子どもは多いでしょう。
あべ弘士さんのほっこりする絵をバックに、「きみの きぶんもはれて きっと あしたはいいてんき」という歌詞が流れます。
コロナ禍で大変な1年を過ごしてきましたが、春から素敵な「はじめの一歩」を踏み出すことができますように。
◆たいせつなこと
作:マーガレット・ワイズ・ブラウン 絵:レナード・ワイスガード 訳:うちだややこ
1949年にアメリカで出版されて以来、読みつがれてきた絵本です。日本では、2001年に樹木希林さんの娘であるうちだややこさんの訳で発刊しました。
ひとつひとつのモノや生き物にとっても「たいせつなこと」があります。あなたにとって「たいせつなこと」とはなんでしょう?
やさしく詩的な文章で語りかけてくれます。
「あなたにとって たいせつなのは あなたがあなたであること」という最後に記された言葉は非常に心に響きます。この一文は、うちだややこさんの夫である本木雅弘さんの御自筆で記されています。素敵ですね。
子どもを育てているご家族の皆さんに読んでいただけると嬉しいです。
すべての子ども達の幸せと健やかな成長を心から祈ります。