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#はぐくむ・つながる・こどもとおとな #子育てあいっこ

【はぐくむ・つながる・こどもとおとな】第24話「完璧な親なんていない」

2022.12.25 ママ ももっこ 子育て 完璧な親なんていない 親子

湘南ママたちから絶大な人気と信頼を誇る、認定子育てアドバイザーの宗藤純子先生の子育てコラムです。今回は、『子育てするお母さんの悩み』についてのお話です。

2022年もあと数日になりました。
私事ではありますが、12月は私が母としての人生を歩み始めた特別な月です。

上の子は、すでに社会人になっていますが、初めてのお産は今でもよく覚えています。
数年前の誕生日の朝、娘がLINEで『産んでくれてありがとう』とメッセージを送ってくれました。そのメッセージを見たとき、誕生の瞬間と同じぐらい喜びが沸き上がり、涙しました。

それにしても、振り返れば振り返るほど、「子どもの気持ちを尊重してこれただろうか」「もっと『対話』するべきだったのでは」と反省します。

我が家の上の子と下の子は8学年も年が離れていたため、今思うと、上の子を必要以上に「しっかりさん」にしてしまったように感じるのです。彼女が思春期の頃にそのことに気がつき、「もう一度きちんと向き合うことからはじめよう」と思ったこともありました。

保育経験者ではあっても、当時の私は、母親としての経験はなく、まさにビギナーでした。

「子育て」は「個(性)育て」であり「己育て」だとつくづく実感します。そして、何より、周りの方に助けてもらいながら、「親」になっていくのですね。

あなたはひとりじゃないからね

子育ては、社会環境も大きく影響します。

かつては、専業主婦や共働きにかかわらず子育ての責任は家庭にあり、主に母親が子育てをすることを求められる時代でした。そのため「親なんだから~」と一人で悩みを抱え込むことが多く、我慢する母親が多い時代でした。

20年ほど前に「子育て講座」の後に、参加した「産後~未就園児のお母さん」たちと話す機会がありました。「女性が一人で子育てする大変さ」や「パートナーとのこと」「祖父母から言われた言葉」などについて話してくれたのですが、話していくうちに思いがあふれ涙が止まらなくなる方も多くいました。それは、まさに『心の叫び』のようでした。そしてそのような思いに共感し、参加者が皆で涙するという状況も多く見られました。

私はその時にあらためて「子育て中の母親は自分の気持ちを話す場がない」ということに気づきました。

現在は、働き方でも子育てでも、「自分はどうありたいか」「どのような夫婦でありたいか」を考えられる時代です。それでも「育児は誰にもほめてもらえないので、これでよいのかわからない」「社会に取り残された感じがする」と悩む母親はたえません。

時代が変わり女性の選択肢が増えても、産後すぐに保育園のことやお仕事のことで頭がいっぱいになり、心も身体も緩められない女性が増えています。

これは心の緊急事態です!ママが元気がないと、赤ちゃんもママのことを心配して元気がなくなってしまいます。

そこで、私は20年前のことを思い出して、講座後は、その場にいる同じ状況下のママ達となるべく話すようにしています。皆で話すことで、「悩んでいるのは自分だけではない」と笑顔を取り戻す方もいるからです。私は、いつも、その背中に「ひとりじゃないからね」と声をかけて見守ります。

完璧な親なんていない!

「ノーバディーズ・パーフェクト」をご存じでしょうか?これは、1980年代後半、多民族国家であるカナダの家族支援プログラムに「完璧な親などいない」という視点からはじまった「孤立をやめて、みんなで支えあおう!」という素敵な主旨のテキストです。(以下は日本語の普及版として刊行されたものです)

「完璧な親なんていない!」著書ジャニス・ウッド・キャタノ
監修:三沢直子 翻訳:幾島幸子

私が一番共感したのは、冒頭の
「はじめから一人前の親などいません。皆、まわりからの助けを得ながら親になっていくのです」という一文です。

人間は皆、欠点をもっています。完璧な人間などどこにもいません。完璧な親や完璧な子どもなど、存在しないのです。ですから大事なのは、可能なかぎりベストをつくすことです。そして必要なときには、まわりから助けをかりることです(本文より)

親だって人間です。

親とは、子どもと自分のために精一杯努力している人のことです。親も人間であることに変わりありません。親はひとりひとり違います。皆、それぞれに自分のやり方をもっています。なんでもすべてうまくやれる親など、どこにもいません。完璧な親になろうとして、無理にがんばる必要はありません。だいじなのは子どもを愛し、子育てを楽しむことです。そしていつも、親としてベストを尽くすよう努力しましょう。(本文より)

 

私自身、当時は「子どもをしっかり育てないと!」という呪縛があったのかもしれません。でも、大切なのは子どもが主体であること。
子どもは「どう育とうとしているか?」ということです。

親は、あれやれ、これやれ、と良かれと思って言い過ぎてしまったり、やらせすぎたりしてしまいがちです。

特に自分が疲れているとき、自分が不安に思っているとき、自分に苛立つとき……. など心や時間に余裕がなくなると、お互いにイライラしたり悪循環になってしまいますので、気をつけたいですね。

子どもは、自分がやりたいことには夢中になれます。
あたたかいまなざしで待って見守れるといいですね。

子育ての支えになる第三者の存在

親も完璧ではありません。
「子ども一人育てるのに村一つ必要」と、アフリカの諺がありますが、子どもが成長していくうえで、お子さんのために、ご家族のためにも斜めの関係性の第3パーソン(信頼できる大人)が必要です。

親も子も「大丈夫」になるには、人が3人必要とも言われています。

「大丈夫」という漢字には、人が3人隠れてますよ!

ぜひその第三者を探してあげてみてくださいね。

すべての子ども達の成長を周りの大人達が助け合って、あたたかなまなざしをもって見守っていけるような時代になりますように。

皆さまのご家族にとっても数々の記念日をどうぞ大切にされてください。
その日を迎える『待つ』喜びが増えていきますように。

ご家族の健康と平和をお祈りいたします。

良いお年をお迎えください。

2023年度親子活動ももっこ募集中
藤沢市鵠沼公民館で25年目を迎え活動中。
お母さん達リーダーがいてくださり活動している定員制、1年継続の
対象は2歳児~未就園児親子サークルです。
お家育てのご家庭、育休中のご家庭のみなさんと共に育ち愛を!
******説明会2023年2月14日(火)10時~
お問合せは momopiyo.baby.nifty.jp

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ーーー筆者紹介ーーー 宗藤純子(むねとうじゅんこ)

藤沢市在住30年。都内私立幼稚園教諭・主任9年を経て保育士・認定子育てアドバイザーとして乳幼児期から思春期までのこども・家庭教育・支援に約25年以上従事。親子ふれあい遊びや絵本通じて肌と心へのタッチ、子どもはひとりの人であることを伝え続ける。

地域での子育ち親育ち支援サークルと母親のエンパワーによる親子活動・3歳児保育活動等長年主宰し、切れめないつながりと支援を継続。2010年「神奈川県かながわ子育て支援大賞・奨励賞」授与。

・鎌倉市産科診療所「ティアラかまくら」開設当初より閉院まで12年間、外部講師として「こんにちは赤ちゃん」事業、産前産後から思春期。女性・更年期講座等携わる

・「子育ては個(性)育て。己育て」人間教育を軸に行政・PTA家庭教育・子育て支援者向け講演、教育現場・思春期講座等で、保護者向け勉強会など講演講座も多岐にわたり多数。
幼小中学生、年齢に応じた「いのち・こころ・からだ」を子ども達に伝え、対話を継続中

・保育者向け雑誌「POT」あそびパーク012寄稿担当や保育・教育を学ぶ短大大学で客員講師として講演。2019年度より非常勤講師として帝京短期大学『乳児保育』担当。

・株式会社OfficeLadybird代表取締役

◆Web サイト: http://junkomuneto.com

連絡先:omopiyo.love@gmail.com

◆子育ての会ベビーぴよぴよ012連絡帳

 

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