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【はぐくむ・つながる・こどもとおとな】第19話 ドキュメンタリー映画「夢みる小学校」子どもはミライだ!
2022.02.19 アクティブラーニング オオタヴィン監督 きのくに子どもの村学園 シネマアミーゴ ドキュメンタリー映画 夢みる小学校 映画 逗子
湘南ママたちから絶大な人気と信頼を誇る、認定子育てアドバイザーの宗藤純子先生の子育てコラムです。
今回は、話題のドキュメンタリー映画「夢みる小学校」をご紹介します。
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「今、子どもたちは 楽しいですか?」
「今、子どもたちは 何かに夢中ですか?」
「今、子どもたちは 自由ですか?」
今回ご紹介したいのは、ひとりひとりの個性を大切にした、子どもファーストな3つの学校が登場する、話題のドキュメンタリー映画「夢みる小学校」です。
この映画は、大ヒット映画「いただきます」シリーズのオオタヴィン監督が手掛け、文部科学省選定映画にもなっています。
登場する3校は、どれもこんな学校あったんだ!と思うような非常にユニークな学校ですが、3校のうち2校がなんと公立の学校なんです。
自分のままでいいんだよ
こんな言葉を待っている『今の子ども達』。
こんな言葉を待っていた『かつての子ども達』。
2020年度から公立学校の学習指導要領が大きく変わりました。「アクティブラーニング(自主探求学習)」に大きく舵を切ったのです。
これに対して、従来の教育を受けてきた大人たちは戸惑っている現実があります。
『教育』とは何でしょうか?
その問いを全ての大人が考える時期にさしかかったようです。
「~しなければならない」に縛られ、ただただ詰め込まれてきた教育の時代は終わりをつげ、自らの「やってみたい!」「やってみよう!」という気持ちを重視し、それに合わせて「学び」の環境を真剣に考える時代になりました。
まずは子どもを幸せにしよう。すべてはその後につづく
この映画に登場する学校の1つ「きのくに子どもの村学園」は、イギリスの教育家A.S.ニイルの言葉をスローガンに、自由な子どもを育てることを大切にした学校です。
30年も前から体験学習やアクティブラーニングを実践しています。
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『テストがない、宿題がない、教科書がない、「先生」がいない。
自由がある、笑顔がある、愛がある。
全国に5校まで広がった自由教育学校「きのくに子どもの村学園」。
ここにあるのは、教育の原点、「本来あるべき普通の学校」の姿です。日本でもっとも楽しい学校、といわれています。
キラキラ輝きながら、楽しそうに授業を受ける小学生、中学生の姿を見た事がありますか?それは、うれしい衝撃の風景です。
学ぶという行為は、こんなにワクワクする事なんですね。
子どもたちは自分がやりたいプロジェクトを選び、自ら課題を設定し、考える力を身につけます。
他人と比較されず、成績の序列が無いこの学校には、いわゆる「発達障害・多動症」のレッテルもありません。
”学校教育”に対する認識が、180度変わるうれしい衝撃の授業風景です』
(公式ホームページから引用)
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これからの学校のあり方。そして、子ども達の未来に何が大切なのかをこの映画から一緒に見つけてみませんか?
2回鑑賞した、わたしのつぶやき
私は、公開初日に映画館に足を運び、先日2回目の鑑賞をしてきました。
この映画では、一部の上映回で、オオタヴィン監督と、さまざまな視点でこの映画を応援している方々とのトークショーが行われています。
私は、2回ともトークショーが行われる上映回を鑑賞しました。
初回は、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏、2回目は、文化人類学者の辻真一氏でした。
この映画を初めて観たときは、涙で、心から感動しました。
まさに、子ども達が「今」を生き、いきいきとした姿がそこにはありました。やらされるのではなく、自ら動こうとする力、そしてそれによって育まれる無限の力を強く感じました。
一方で、自分自身を振り返り感じるものもありました。この映画に登場する大人たちは、しがらみから解放されて心から楽しんでいるように見受けられたのです。
しがらみから解放され自由が認められる場所に身を置くことで、初めて物事の本質が見えるのかもしれません。
2回目はもう少し冷静に観れましたが、15歳の子どもが語る『ことば』にはぐっとこみ上げるものがありました。
思春期で葛藤する時期に、子ども達が教育現場で感じるのが『痛み』や『不安」ではなく、『自分にとって安心できる場所』という感覚だったなら、迷いなく次なるステップに進むことができるはずです。
特に、自分の自由にやってみたいと思う気持ちが『ある』、そういう気持ちが自分の中に確かに『ある』ことを感じる、『個がある』子ども達にとっては、教育現場で受容されて、そこが安心できる場所だと感じ、何かに夢中になれることが、大切な時間だと思います。
人生は問いに満ちている
『自由』っていったい何なんでしょう?
保育の場でよく言われる『自由保育』は、決して『放任』という意味ではないし、『子ども主体』も『子どもが好きなことをするだけ』ということではありません。
日々こういった疑問を感じる私にとって、トークショーに登場した文化人類学者の辻信一氏の『人生は問いに満ちている』という言葉は胸に響きました。
大人になっても人生は問いに満ちていて、今を生きる子どもから大人が学ぶことは実はとても多いのです。
子どもはミライです!
教育関係者のかたも、保護者のみなさんも、この映画を見て、次の子ども達が生きやすい時代へとアップデートしていくための問いかけを自分自身にしていきたいですね。
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夢みる小学校
◆公式ホームページ
◆予告編ロングバージョン
2月4日に初日公開をし、東京のシネマスイッチ銀座、UPLINK吉祥寺等、短期間に上映したい館で全国公開されていきます。
神奈川県在住のみなさまの近隣映画館での上映はこれからです。春休み期間に上映なので、お子さんとぜひ共有してほしいです。
夢みる小学校 劇場情報 (dreaming-school.com)
◆3月19日(土)~4月1日(金) 神奈川
横浜シネマ・ジャック&ベティ
◆3月27日(日)〜4月16日(土)
神奈川 シネマアミーゴ
◆4月2日(土)〜4月15日(金)
神奈川 あつぎのえいがかんkiki
オオタヴィン監督紹介
「変なペンネームだが、愛知県出身、ただの日本人のオジサンである。伝統和食や発酵食で、自身の体質を改善した「発酵映画監督」。
発酵食・医食同源・食養生”をテーマにした『いただきます1 みそをつくるこどもたち』を初監督。
累計上映回数800回を今なお更新中のロングランヒット作となる。
http://itadakimasu-miso.jp/
土壌微生物と腸内細菌の循環による生命の環(circle of life)”を
テーマに、有機農家と食農教育を描いた2作目
『いただきます2 ここは、発酵の楽園』は
1作目を超える勢いで全国で上映されている。
https://Itadakimasu2.jp
幼年期に「多動児」だった自身の経験から個性を生かし自己肯定感を高める「自由教育」を密着取材。
“心の発酵”をテーマにした『夢みる小学校』が最新作」
(公式ホームぺージから紹介文抜粋)
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ーーー筆者紹介ーーー 宗藤純子(むねとうじゅんこ)
藤沢市在住30年。都内私立幼稚園教諭・主任9年を経て保育士・
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・鎌倉市産科診療所「ティアラかまくら」
・「子育ては個(性)育て。己育て」人間教育を軸に行政・
幼小中学生、年齢に応じた「いのち・こころ・からだ」
・保育者向け雑誌「POT」
・株式会社OfficeLadybird代表取締役
◆Web サイト: http://junkomuneto.com
◆子育ての会ベビーぴよぴよ012連絡帳
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