湘南ママたちから絶大な人気と信頼を誇る、認定子育てアドバイザーの宗藤純子先生の子育てコラムです。
子どもとママとパパ、そして社会とのつながり、命のはぐくみについてのお話です。
第一回目は
誕生〜赤ちゃんとの生活について。
赤ちゃんを迎えることは嬉しいけれど、「不安」や「困った」が少しでもある、というママ・パパへ。
宗藤先生の言葉がジーンときます。
第一話 誕生~うまれてきてくれてありがとう
「おめでとうございます」命を育み過ごした月日からその日はやってくる。
地球がコロナ感染の渦の中にあれど、この日本にうまれてきてくれる赤ちゃん達。
1971〜74年生まれ第2次ベビーブーム時代は約200万人うまれてきてくれた赤ちゃんも、2019年度は約86万人です。
少子化の時代だからこそ、
うまれてくる子ども達はご家族の大切な子どもでもあり、
日本の大事な子ども達。
家族のあり方は多様でいろいろなかたちがあります。
だからこそ子どもを授かること、
子どもと育ちあうことを、
もっともっとたいせつに温かく周りの人も
見守ってあげてほしいと願うのです。
子ども達を真ん中に家庭も地域も社会も考えていける世の中であることを願わずにはいられません。
ママたちはもっと、「困ってます」「助けて」を伝えていい
長年主宰する子育て支援サークルや、鎌倉市の産科診療所で外部講師として携わる「こんにちは赤ちゃん事業」でのママ達に産後のふりかえりを聞くと、
「出会えた嬉しさは言い尽くせない。」
でも
「情報過多で『不安』『心配』もある」という声があがります。
核家族化でサポートのない未知の「子育て」のはじまり。
『イメージしていた赤ちゃんとの生活の理想と現実の違い』
『赤ちゃんの状態への心配』
『自分の仕事と育児のこれからの不安』
『かわいいけれど、思うようにいかない』
『イライラしてしまう』
『ネットで調べても答えがない』
『褒めてもらえない』
『仕事を辞めて子育てをする』という選択で”社会と離れた自分”に不安を感じているママもおられました。
二人目以降、歳が近い子育てに疲れ果ててしまうママ。
お産と共に「保育園」のことを考えてストレスで心もカラダも休まらないママ。
「きちんとやらないと!」「この子のために頑張らないと!」と産後動きすぎて自分自身のカラダの回復が遅れてしんどかったというママ・・・
なかなか産後の家庭の生活をお互いに目にする機会がなく、家族以外の大人と話す機会もなかったママ達。
実はほかのママも自分と同じようにイライラすることもあるし、
不安に思うこともあるということなど、
みんなの声を聞いてホッとされます。。
私も長女出産後、スーパーのレジの方に「かわいいね。何か月?」と声をかけていただけるだけで泣けてきた時期がありました。
周りの誰かに話を聞いてもらえるだけでもスッキリする場合もあります。
赤ちゃんは、お母さんにはじめて出会った瞬間の『喜び』から一転して『笑顔』を奪うために生まれてきたわけではありません。
助けを求めることはNGなこと?
いいえ。「困ってます!助けて!」って伝えてください。
でも言えないママもいると思います。
今、支援の場も増えていますし、助産師さんという存在に私も助けられました。
助産師さんは英語で「midwife」
女性と共にという意味で、寄り添ってくださる女性です。
お母さんが何もかもはじめてなら赤ちゃんもこの世界は何もかもはじめて。
慣れない育児に不安は誰にでもあります。
赤ちゃんだって同じです。
赤ちゃんも話しかけてもらいたいし抱きしめてもらいたい。
『赤ちゃんの心の声も聞いてみてください。』というとみんなキョトン?とされます。
確かに赤ちゃんは未熟だし何も考えていないように思うかもしれないけれど、ママの声を聴いています。
「今、赤ちゃんがしてほしいことは何かな?」を意識して声をかけ、心にも体にもやさしくふれてあげてください。
赤ちゃんが生まれる日は「キセキの日」
赤ちゃんは本当に『授かりもの』。
大切なひとりの人。
授かり育んできた月日・・そこにはうまれてこようとする命の力があった。
初めて胸に抱くいのちの重さを感じる母になる人も父になる人も、出会った命へ贈る言葉は「うまれてきてくれてありがとう。」
この言葉を大人も受け取ると、幾つになっても自分という存在が大切な人であると感じることができます。
「ありがとう」という言葉は漢字にすると「有り難う」と書き「有難(ありがた)し」という意味で「あることがむずかしい、まれである。めったにない事」すなわち『奇跡』であるということ。
うまれてくることは奇跡である。
確かに自分につながるいのちは、ご先祖様も10代前にさかのぼれば1024人のいのちのつながり。
誰一人かけても自分はいない。
それぞれのいのちの物語。
現代医療が進歩しても、夫妻で長い時間をかけられ祈りのなか医療のサポートを受け授かった命を迎えるお母さんもおられます。
赤ちゃんを授かることにお時間の必要なご夫妻もいます。
妊娠・出産はまだまだわからないことも多くあるといわれているのです。
女性のいのちの部屋である「子宮」に宿っても、
短く会えない命の経験をされた母達もおられます。
私自身も「授かる」ということは妊娠の科学プロセスだけではない何か奇跡的なことなのかもしれない、と教えてもらったのは超音波に映る3人目の赤ちゃんでした。
しかしながら予定日が8月10日(ハートの日)でしたが会うことは叶いませんでした。
でも確かに数週間来てくれたこの子のおかげで、
出会えるいのちの有難さが一層愛おしく、今、出会えている地域の赤ちゃんや子ども達は、いのちいっぱいにこの世に生まれてこようとした命だと、授かるということは本当に大きな、大きな贈り物を家族として迎えることだと、気づかされたのです。
子どもが生まれるということは
「母がうまれ、父がうまれ、親になる」キセキの日。
予定日に必ず生まれてくるわけではない赤ちゃんたち。
突然に「もういくよ~」と赤ちゃん側からお知らせがある場合もあるし、ゆっくりのんびりな赤ちゃんもいる。
急遽、「子宮のお部屋に窓を開けて~」と帝王切開でのお産もある。
帝王切開であったとしても、それは赤ちゃんからの知らせを受けてのお産。
赤ちゃんは命を授かった時からサインをお母さんに送っています。
お母さんが赤ちゃんのことを「感じている」時間、お父さんも一緒に子宮で過ごす赤ちゃんに何ができるかを共に考えてみませんか?
そしてうまれてきた赤ちゃんを真ん中にどんな家族になっていきましょうか?
すべての人に「うまれてきてくれてありがとう。」
*
宗藤先生おすすめの絵本、書籍も随時紹介していきます!
今回の内容でおすすめの本は
こちらの記事でご紹介します!
*
ーーー筆写紹介ーーー
宗藤純子(むねとうじゅんこ)
藤沢市在住30年。都内私立幼稚園教諭・主任9年を経て保育士・認定子育てアドバイザーとして乳幼児期から思春期までのこども・家庭教育・支援に約25年以上従事。親子ふれあい遊びや絵本通じて肌と心へのタッチ、子どもはひとりの人であることを伝え続ける。Child woman family Supporter
・地域での子育ち親育ち支援サークルと母親のエンパワーによる親子活動・3歳児保育活動等長年主宰し、切れめないつながりと支援を継続。2010年「神奈川県かながわ子育て支援大賞・奨励賞」授与。
・鎌倉市の産科診療所開設当初より、外部講師として「こんにちは赤ちゃん」事業に携わり、産前産後から思春期。女性・更年期講座等約11年。
・「子育ては個(性)育て。己育て」を軸に行政・PTA家庭教育・子育て支援者向け講演、2009年より教育現場・思春期講座等で、年齢に応じた「いのちのおはなし」や保護者向け勉強会など講演講座も多岐にわたり多数。
・保育者のための雑誌「POT」あそびパーク012寄稿担当や保育・教育を学ぶ短大大学で客員講師として講演。2019年度より現在、非常勤講師として帝京短期大学『乳児保育』担当。
・株式会社OfficeLadybird代表取締役
Web サイト: http://junkomuneto.com
メール:momopiyo.love@gmail.com
◆子育ての会ベビーぴよぴよ012連絡帳
https://ameblo.jp/piyopiyostaff/
*****