何でもかんでも値上げ、家計も大変です。円安で輸入物価も上がっているけど、 野菜とかどうなの? 実は藤沢・湘南エリアは農業が盛ん、地元の野菜についてもっと知りたい! JAさがみの農アンバサダー Lioさんが地産地消の旅にご案内します。
じつは、国内栽培のさきがけ?
新鮮でおいしい
藤沢のレタス
レタスというと、高原野菜のイメージがあります。「社会科の時間に習ったよ」、という読者もいるでしょうか。じつは、神奈川県内でもレタスの生産は盛んなんです。藤沢市内でもレタス農家さんが、春と秋にレタスを出荷しています。
そこで、藤沢のレタス農家にお話を伺ってきました。
待ち合わせ場所は藤沢市打戻。御所見地区の茅ヶ崎市側です。
ちょうど、被覆資材をはがしたあとで、晩春の光を浴びてレタスがのびのび育っていました。ちなみに、被覆資材とは、寒さや虫を除けるためにかけるビニールや不織布のことです。
ここのレタスは、1月に種をまいたそうです。ちょうど葉っぱが丸く巻き始めたところです。収穫は5月中旬ごろです。
露地野菜は天候に左右されます。レタスは乾燥が苦手。なので、定植(苗を植える作業)の時期に乾燥すると苦労します。5月に雹(ひょう)が降ってきて、葉っぱに穴が開いてしまった年もありました。秋のレタスでは、台風対策が大変です。台風接近の予報を聞くと、覆いをかけてレタスを守ります。
近寄ってみると、こんな感じです。葉っぱが丸くなり始めた様子が分かります。雹(ひょう)などの被害がありませんように…。
お話をしてくれたのは、御所見レタス部会の宮治克巳さん(53)です。代々続く農家で、レタスは春と秋に出荷しています。御所見レタス部会は現在4人。2021年度は春秋合計で4500kgものレタスを出荷しました。
春は3月上旬から6月下旬まで、秋は10月上旬から12月上旬までが、藤沢のレタスの出荷時期(年によって多少前後します)です。レタスは涼しい気候が好きな野菜。藤沢や綾瀬など、湘南エリアの春秋はレタスづくりにうってつけの気候です。
ちなみに、湘南の夏本番は暑すぎるので、葉っぱがきれいに巻かなくなるとのこと。そうか!だから、夏は高原でレタス栽培をしているんですね。
出荷が始まっている畑に案内してもらって、出荷の様子を「再現」してもらいました。
収穫するのは包丁一本。ザクッと気持ちのいい音を立てて収穫します。
保護の意味も兼ねて、外葉をつけて収穫します。
このきれいな切り口!
この日は日中に収穫を「再現」していただきましたが、本当の収穫時間は早朝です。市場へ行くトラックは毎朝7時45分発。それに間に合うようにまだ暗いうちに起きて、畑に行って収穫します。農家やJA、市場の関係者が、その日のうちにスーパーに並ぶように流通体制を作りました。
収穫したレタスは、コンテナというプラスチックの箱に詰めて出荷します。鮮度がいいので、フィルムに包まず、そのまま市場に出します。ちなみに、宮治さんは直売所にも出荷していて、直売所向けにはフィルムで包んで出荷しているそうです。
宮治さんは、球になる「結球レタス」だけでなく、直売用にリーフレタス、ロメインレタスなども作っています。
手前から、赤系のロメインレタス、緑系のロメインレタス、中央がオークリーフとワインドレス、奥の左側がロロロッサ、右側がオークリーフです。
このままドレッシングをかけて食べたいくらい! 直売所では赤系と緑系をセットにして売ることもあるそうです。きれいですね。
取れたての藤沢産レタスです。かぶりつきたくなります!
まっすぐな葉っぱが特徴のロメインレタス。加熱してもおいしいので、炒めたりスープにしたりと、料理のバリエーションも豊富です。
赤系のレタスの色素はアントシアニンとのこと。ポリフェノールの一種ですね。サラダの彩にもおすすめです。
神奈川県は、日本でもレタスの栽培を早く始めた地域です。日本初、という説もあります。どんなふうに栽培したらおいしいレタスになるか、というノウハウが蓄積されているんですね。ちなみに、宮治さんは、たい肥をたっぷり入れた栄養満点の土づくりをして、元気なレタスを栽培しています。
宮治さんは、レタス以外にもいろいろな野菜を栽培しています。藤沢をはじめとした大都市近郊の農家は、いろいろな野菜を少しずつ作っています。それが、都市農業の特長で、魅力です。
宮治さんの結球レタスは、市場経由で八百屋さんやスーパーでも買えますが、直売所「わいわい市藤沢店」「わいわい市寒川店」「ごしょみ~な」にも出荷しています。
藤沢のレタスを見かけたら、ぜひどうぞ。
関連記事:【aicco行ってみた】わいわい市藤沢店
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