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#はぐくむ・つながる・こどもとおとな

【はぐくむ・つながる・こどもとおとな】第9話コロナ時代「感じる」を育てて幸せに!

2021.03.17 ファミリー ママ 子育て 幼児・赤ちゃん 親子 親子で

湘南ママのカリスマ。認定子育てアドバイザー 宗藤純子先生によるコラムです。
第9回目はコロナ禍における子育てのお話です。
「はぐくむ・つながる・こどもとおとな」バックナンバーはこちら

「春」を見つけにいきたい時期になりました。
子どもと共に「感じる」=五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)
より強く意識して出かけてみませんか?

新型コロナウイルスの影響で、鵠沼の2歳児~未就園児の親子活動は施設を利用できない日々が続いています。
しかし、今しかない子ども時代を大切にしたいと考え、「コロナだからできない」ではなく、お互いに安心感を保てる方法で「できること」を探しながら活動してきました。
幸い、湘南地区は海も山も森も広い公園もあって、自然豊かな環境です。自然の中でさまざまなことを感じる子どもの姿に意識を向けて、親子で「今を生きること」を感じる生活を送ってみましょう。

ミモザが黄色い花を誇らしげに咲かせ、引地川沿いでは河津桜が見ごろを迎えていたある日、藤沢市の長久保公園に集合しました。

子ども達は鼻で匂いを「嗅ぐ」

暴風雨の翌日だったので、
「雨の匂いが残っているかな?」
「今日の風はどんな花の匂いを運んでくるかな?」
「海が近いと潮の匂いもするのかな?」などと話しながら出かけました。

「いい~においね~」「これ、くしゃいね」

心や記憶と結びつけて匂いを感じます。
「嗅覚」は非常に原始的な感覚といわれ、赤ちゃんがお母さんのおなかにいるときから発達します。しかも赤ちゃんの嗅覚は大人よりも敏感ともいわれています。

子ども達は耳で音や声を「聞いている」

「昨日は風の音がゴーゴー暴れて叫んでいたね」
「今日は鳥がピピピピッって挨拶してるよ」
「街の音と森の音、きっと違うよね」

赤ちゃんはお母さんのおなかの中で妊娠20週ぐらいから外の声や音を聴いているといわれています。
大人達の声を聴き「ここにいるよ~」と動いてサインを送ってくれます。
地球の音も聴いていたかもしれませんね。

子ども達は肌や手で「触れる」

咲き落ちる椿の花びらを拾って丁寧に1枚ずつ並べている子ども達。白い花びらの1枚1枚の違いを感じているのでしょう。

触れるって、どんな感じ?

「サラサラ」「べちゃべちゃ」「ぺたぺた」「ふわふわ」「ざらざら」…

「触覚」は妊娠7週ぐらいから発達し、五感の中で最も早く発達するといわれています。赤ちゃんは触ることで、さまざまなものを確認します。
また「触覚」は感情とつながっているともいわれ、体への心地よいタッチは不安や恐れを軽減し、子どもの心の安定をもたらします。

外肺葉由来の脳と皮膚はとても仲良しですから、スキンシップを通じてオキシトシン(別名、愛情ホルモン)が分泌され、「感じる脳」の成長を促します。
そして何よりも触れているご家族の心が落ち着きます。
愛情込めた抱っこを含めて、スキンシップは大切なコミュニケーションです。

現代の子ども達は、人や自然、物を触る機会が減っています。そのうえ、コロナ禍でソーシャルディスタンスを求められるため、触れ合うことはさらに敬遠されがちです。

新型コロナウイルスの感染対策をしっかりしつつ、親子のスキンシップ遊びや赤ちゃんへのタッチケアなど、愛ある優しいタッチを今後も大切にしていきたいです。

子ども達は目で「見る」


湘南の海で拾い集めたマイクロプラスチックで、ミニハーバリウムをつくりました。自分だけの「たからもの」です。
太陽の光が当たって「わぁ~きれいだね!」

生まれたての赤ちゃんの視力は0.01程度で、認識できる色は、黒・白・グレーのみともいわれています。
その子たちがたくさんのカラーと出会い、目で見てさまざまなことを感じます。

「キラキラしているね」

「こんなにマイクロプラスチックが海にあるとお魚さんが食べてしまって大変なことになるね」

子ども達と「環境」「地球」のことを考えながら「食べる」

公園には実のなる木もいっぱい!「あまいのかな?」「すっぱいのかな?」
「味覚」は個人差が生じやすい感覚です。


そして「食べる」ことへの関心は、「嗅覚」や「触覚」が重要な役割を果たします。その結果、子どもたちは「味わう」のです
今年は「うどんつくり」ができず残念でしたが、土から、海から、命あるものからいただくことを「ありがたく」思いながら味わいたいですね。

どうして五感で感じることの大切さを伝えたいか

コロナ禍に1冊の本と出会いました。それはスウェーデン出身の精神科医アンデシュ・ハンセン氏の著書『スマホ脳』(新潮新書)で、デジタル化が進んだ結果、人の脳に何が起こっているか、何を羅針盤にして進むべきかが記されています。

この本によると、現在、大人は1日に4時間、2600回以上もスマートフォンに触れているそうです。つまり平均すると、10分に1度、スマートフォンを手にしているといえます。

スマートフォンをはじめとしたデジタル化の波は、コロナ禍において良い効果を生むこともありましたが、心の不調を訴える人を増やすことにもつながりました。私自身、目や脳が疲れ、睡眠不足に陥りました。子ども達にスマートフォンを持たせないわけにはいかない時代だからこそ、どう使えば安全か、今一度「人間の進化の見地」からの研究結果を照らし合わせた根拠を知ることが必要かもしれません。著者が伝えるように「睡眠」「運動」そして「他者とのかかわり」は非常に重要です。どんなにデジタル化が進んでもこの点を忘れてはいけないと思います。

スキンシップと対話の大切さ

13世紀にローマのフリードリッヒ2世が「言葉の研究」をしました。その研究は、0歳の赤ちゃんたちが泣いても、抱っこしたり声をかけたり一切せずに育てた結果、赤ちゃん達はどのような言葉を発するのかを調べたものでした。

みなさんは、赤ちゃん達が1年後にどうなったと思いますか?
「言葉が話せない」「表情がない」などと答える方が多いでしょう。しかし事態はより深刻で、思いもよらぬことが起きたのです。
1歳のお誕生日を待たずに、赤ちゃん達の「いのち」は尽きてしまったのです。とても悲しい言い伝えですが、今、ここに生きている子ども達は、0歳時代に無条件に抱かれて声をかけられながら育った命といえます。

心地よいふれあいが子ども達の今を守ります。
コロナと共生する時代、いつ終わりがくるか分かりませんが、大人も子どもととともに五感をフルに「感じる脳」を育てていきましょう!

ーーー筆写紹介ーーー 宗藤純子(むねとうじゅんこ)

藤沢市在住30年。都内私立幼稚園教諭・主任9年を経て保育士・認定子育てアドバイザーとして乳幼児期から思春期までのこども・家庭教育・支援に約25年以上従事。親子ふれあい遊びや絵本通じて肌と心へのタッチ、子どもはひとりの人であることを伝え続ける。Child woman family Supporter ・地域での子育ち親育ち支援サークルと母親のエンパワーによる親子活動・3歳児保育活動等長年主宰し、切れめないつながりと支援を継続。2010年「神奈川県かながわ子育て支援大賞・奨励賞」授与。 ・鎌倉市の産科診療所開設当初より、外部講師として「こんにちは赤ちゃん」事業に携わり、産前産後から思春期。女性・更年期講座等約11年。 ・「子育ては個(性)育て。己育て」を軸に行政・PTA家庭教育・子育て支援者向け講演、2009年より教育現場・思春期講座等で、年齢に応じた「いのちのおはなし」や保護者向け勉強会など講演講座も多岐にわたり多数。 ・保育者のための雑誌「POT」あそびパーク012寄稿担当や保育・教育を学ぶ短大大学で客員講師として講演。2019年度より現在、非常勤講師として帝京短期大学『乳児保育』担当。 ・株式会社OfficeLadybird代表取締役 Web サイト: http://junkomuneto.com メール:momopiyo.love@gmail.com ◆子育ての会ベビーぴよぴよ012連絡帳 https://ameblo.jp/piyopiyostaff/

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