4人の酒米生産者と熊澤酒造の合作
6月21日から限定発売
お酒は好きですか?
藤沢のお酒といえば、まず浮かぶのがワイン。藤沢市はワイン生産量日本一、というのはご存知ですよね。
一方で最近海外でも人気の日本酒ですが、純藤沢産酒米で作られた日本酒ができたんです。
日本酒を作るには、日本酒専用のお米が必要。酒米は飯米に比べ、粒が大きく張りが良いという特徴があります。日本酒造りでは、味の雑味の原因となるタンパク質や脂質を取り除くため、米の外側をより多く削り取ります。多く削ると摩擦熱で米は砕けやすくなりますが、酒米は砕けにくく、より多く精米することができるのだそうです。
その酒米、市内での生産量が少なかったため、昨年までは純粋な藤沢産だけでは作れなかったのですが、今年初めて藤沢産酒米だけの日本酒が作られました。
4月の初め、田んぼが広がる大庭・稲荷地区に作業服姿の人が集合。稲作作業が始まる前に、水路に溜まった土やゴミを取り除く「堀さらい」が一斉に行われる日です。実際に農業に携わっている人はもとより、近隣の小学校や高校からも参加しているようです。
酒米が作られるのもこの一角。堀さらいの合間に、酒米を生産する長谷川登さんにお聞きしました。
「蔵元から、地元産のお米で日本酒を作りたいという話があったんです。それまでは茅ヶ崎産の酒米を使っていたのですが、生産量が減ったため、湘南エリアでどなたか作ってもらえないでしょうかと」。
藤沢では数年前から酒米作りが行われていましたが、年々作付けする人が増え、2022年には長谷川さんを含む4人の方が酒米作りを行い、ついに藤沢産米だけで仕込みができる分量が収穫できました。今年はさらに酒米を栽培する人が増え収穫量も増加するので、来年以降も藤沢産米の日本酒が造られるそうです。
日本酒は、仕込み桶の中で醸造されて造られますが、1つの桶でできるお酒は4合瓶(720ml)で約4000本分。そのために必要な酒米は約2500kgになります。
今回藤沢産米を使って日本酒を醸造するのは、茅ヶ崎にある熊澤酒造。同じ敷地内には、レストラン「モキチ」やベーカリー、ビールの醸造所もあります。
訪問したのは4月下旬。2月から仕込みを始めて、熟成した「もろみ」を絞ってお酒を抽出する日です。「酒蔵」ということで、木の桶が並んでいる様子を想像していましたが、実際にお酒を作っているのはホウロウ製。木桶で作っているところもあるそうですが、最近ではほとんどの酒蔵は、ホウロウか樹脂製の桶をつかっているとのこと。
酒蔵内は冷房が効いていて寒いくらい。
「桶の素材は変わりましたが、あとは温度管理を自動で行っているくらいで、それ以外の製法は昔ながらです」と、熊澤酒造杜氏の五十嵐哲朗さん。酒造りに携わる以外の時期は、酒米を作る農家さんです。
発酵が終了するのはこの日、と決まっているわけでなく、毎日もろみの状態をチェックして成分やアルコール度数を分析して決めるのだそう。もろみを桶から繋がる絞り機に送って、酒と酒粕に分けます。絞り機からは透明なお酒が搾り出されてきました!
この作業は丸1日かかるそうですが、まだ生の酒の状態。濾す作業と、びん詰め、発酵を止める「火入れ」作業が残っています。試飲とかできるかと期待していたのですが…。残念。
「製品になるのは1カ月以上先。まだ商品名や発売日も決まっていません」(五十嵐さん)
…そうして、いよいよ藤沢産酒米100%の日本酒完成! 商品名は「藤田熊醸」(ふじたくまじょう)。藤沢(藤)の、水田育ちの米(田)、熊澤酒造(熊)で醸造された(醸)、お酒という意味だそうです。ラベルには、長谷川さんほか、酒米生産者4名の名前も。
藤田熊醸は限定約4000本を6月21日(水)から市内の4店舗で販売します。数量限定のため、お早めに。
<藤田熊醸・販売店>
・北村商店(藤沢)
・藤沢とちぎや(藤沢本町)
・勝浦酒店(川名)
・へいわ酒店(鵠沼海岸)
1.8L:3110円/720ml:1730円(ともに税別)
藤田熊醸は、ふるさと納税の返礼品にも採用されています。
藤沢産酒米100%の日本酒「藤田熊醸」が誕生!
https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kouhou/shise/gaiyo/shicho/kishakaiken/2023/20230601_02.html