【藤沢の昭和を探してみた】フジサワ名店ビル第2章
「みんな、ずーっとお世話になってきました。
有隣堂、ジャックラビッツ
藤沢市民なら誰でも知っている駅前の複合ビル。フジサワ名店ビルが創業したのが昭和真っ盛りの1965年(昭和40年)。隣接するダイヤモンドビル、プライムビルと一体化して平成、令和と半世紀以上の時を経て、駅前のシンボルとなっています。
地上7階地下1階、昭和のテイストを色濃く残す各階には、生鮮食品から雑貨店、飲食店、書店、紳士服店など多様な34の店舗が入っています。前回に引き続き、各フロアを回ってみました。
名店ビルのシンボル、有隣堂
ビルの創業時から入居する書店・有隣堂は、名店ビルのシンボルともなっています。2階〜5階までビル北側の一角をしめ、市内屈指の売り場面積と30万冊の品揃えを誇ります。4階の文具売り場には、今では珍しい「昭和な」アナログ事務書式、伝票類や何と表札まで販売。
「困った時には有隣堂に。お客様にここにはなんでもある、と言っていただけるように揃えてあります」と店長の高橋さん。書店の文具コーナーを超えた品揃えですが、実際市内の文具店が次々閉店していく中で、お客様には喜んでもらえていると言います。
あいっこも昔からお世話になっているお店、でも本を読む人は少なくなっているのでは…。
「実際本は売れなくなっています。でも常にお客様のニースに合わせて本を選んでします。今の売り場はお客様が作ったとも言えます」
自粛解除後、最初は参考書がよく売れていたとか。そのあとはレシピ本、片付け本など。自宅時間が長くなったので、学生の自習や家庭で役に立つハウツー物にニーズが集まっているとのことです。
「藤沢は、住んでいる人が多いので、活字は安定的に必要とされているようです」
メンズファッション「かかりつけの店」
3階メンズ衣料ショップ「ジャックラビッツ」は本格的なスーツ専門店。30年前から出店していますが、その時代ごとのファッションを提供してきました。こだわりは国内縫製のオーダースーツなど日本製の品質。シャツ、シューズ、小もの等も豊富に揃えられています。
オシャレに見えるには、どんなことに気をつければいいですか?
「ファッションは昔に比べて細いものが好まれるようになりましたね。特に若い人はピタピタのものを着る傾向が。流行もありますが、あまり過ぎたものは見た目が良くない。逆に年配の人は袖が長かったり。やはり体にあったスーツを着て欲しいですし、その方がオシャレに見えます」
開店当時からスタッフも同じ。当初20代独身とかだったお客様が、今では50代とか定年とかになっています。
「長くお付き合いすることで、そのお客様に合ったファッションをアドバイスすることができます。スタッフが変わっていない安心感もあるのでしょう」
まさに昭和から続く、「かかりつけの店」です。
名店ビルの探検は、さらに次回に続きます。