【aicco行ってみた】「eスポーツ」って何？

2022.03.26

藤沢にプロチームが誕生
地元ミーティアの世界戦活躍を応援したい

中学生男子が将来就きたい人気職業は何でしょう？
ソニー生命が2021年に行った調査「中高生が思い描く将来についての意識調査2021」で、1位の「YouTubeなどの動画投稿者」に続き、2位に入ったのが「プロｅスポーツプレーヤー」。

eスポーツ？
ただのゲームをやっているだけの人ではありません。世界的には億単位の観戦者がいるエンターテインメントで、オリンピックの種目としても取り沙汰されているコンピュータゲームの競技。いまや野球やサッカーのような観戦「スポーツ」でもあるのだそうです。
そのプロｅスポーツチーム「ミーティア（Meteor）」が昨年藤沢に誕生。ｅスポーツチームが拠点を持つことは珍しいとのことですが、それは何故？　そもそもｅスポーツって？
チームのオーナーであり、生まれも育ちも本鵠沼という相澤利春さん（30歳）に聞きに行ってきました。

中高生が思い描く将来についての意識調査2021

aicco　eスポーツって、一般のゲームとどこが違うのでしょう？

相澤さん　オンラインで行うゲームの延長上ですが、コンピュータゲームの競技大会として開催されているものです。ミーティアが参戦しているのは、「Apex Legends」という対戦型戦闘ゲームで、現在世界大会が開催されています。賞金総額5億5千万円のビッグイベントです。
ミーティアには3人のプレーヤーが所属、世界大会予選の北アジアエリアに参加しています。この大会には日本、韓国などから40チームが参加、生き残りを賭けて戦っています。上位10チームが決勝進出ですが、現在16位とまずまずの位置にいます。

aicco　ミーティアはどんなチームなんですか？

相澤さん　地元藤沢にｅスポーツのプロチームを作りたくて、世界大会参戦経験のあるプレーヤー3人に声をかけ、昨年10月に発足しました。
もともとｅスポーツはオンラインで行われるため、地域に拠点を置くのは大変珍しいのですが、リアルなスポーツチームのように、地元で活動や交流を行い、地元ファンに応援してもらえるようなチームにしたかったんです。だから、3人には藤沢に越してきてもらって、週5日この拠点で練習も行ってもらうようにしています。

辻堂にある不動産関係会社の取締役を務める相澤さん、ミーティアの拠点も管理するビルの一室にあります。黒をベースにした室内はカッコよく、ゲームに没頭できそうな雰囲気。仕切られたそれぞれのブースで選手がプレイするそうです。
相澤さんは中学まではサッカー少年で、湘南ベルマーレのジュニアユースにも所属。練習で忙しくて空いたわずかな時間に家でできることとしてゲームに熱中、そこからゲームの可能性を追求するように。

相澤さんが運営するシェアオフィス「U-port」こちらは青と白をベースにした海を連想させる内装

相澤さん　サッカーではリアルな触れ合いから、スポーツマンシップや人間関係を学びました。片やゲームの世界は、顔も見たことない人とやりとりします。時にはリアルな世界では得られない心の救いがあったりします。そこでも人間関係は大切。10歳も年上の人と交流することもあります。マナーの悪い人は相手にされなくなります。
そしてプロになるのはやっぱり生半可なことではダメ、本当にしんどいし成功するのはほんの一握り、というのも他のプロスポーツと一緒です。勉強もしっかりやらないと。プレーヤーは世界中にいるので、語学力も必要ですね。

aicco　 eスポーツチームを運営することと、ビジネスとの関連は？

相澤さん　今、不動産会社の事業として、ミーティアのオフィスと同じビルにシェアオフィスを運営しています。そこに入居しているさまざまな事業者とのコラボ展開も検討しています。もちろんeスポーツでのノウハウを別のビジネスに転用することも想定しています。
ビジネスを考える時、情報の密度とか利便性では東京の方がいいと思いますが、湘南の方が広い場所があるとか、地元の良さとか利点もあります。さらにここでビジネスコミュニティを作って価値を創造するとことも考えています。
オンラインゲームも、メンバーが離れているより会える距離にいた方が仲良くなってチームが強くなるなんてこともあるそうです。さらにファンの人たちともリアルでつながって、地元でファン感謝イベントに集まってもらえれば、他のスポーツのように地元チームとしてみんなに応援してもらえると思うんです。選手のモチベーションアップにもつながります。イベントでクリニックやスクールなどを行うことも考えられますね。
夏に湘南エリアでeスポーツをベースにした、多様な業種を巻き込んだオフラインのイベント開催を構想しています。

aicco　「ゲームばっかりやって」というところから認識が変わりつつある中、たまには親子でゲームして、イベントにも一緒に参加できるといいですね。