このご時世、
子どもたちのこと、地元でやってることのなど、
語り合ってみました。（その2）

駄菓子屋ROCK店主 谷口齋隆さん（Rockさん）
南湖こども食堂　波代表　小田薫さん
aicco代表　佐藤あさ子

（前編より続く）

誰でも来て、話をして、笑える場所
お母さんが笑ってれば、子供も嬉しい

aicco　こども食堂も、薫さんのやっていることを見て、知って、この人のやっていることなら手助けしたいという人たちから、サポートが集まっているんですよね。

薫　私はシングルマザーとして3人の子供を育てました。もちろん苦労はあったのですが、大人が辛い顔をしていたら、子供たちも感じとるじゃないですか。だからどうやって楽しく暮らしていくかを考えました。
子供たちはもう成人していますが、ロウソク1本立てて、カップヌードルだけの夕飯、なんてこともありました。でも「カップヌードルパーティだね」なんて言って、あのころのことが楽しかった、って言ってくれるんです。
母子家庭の苦しみは、そうでない人には見えないことだと思うんです。でも私には、母子家庭や父子家庭の友だちがいて、みんなで支え合えて話もできたことで、笑っていられたんですね。だから、苦しい境遇の人も、なんでも一人で抱えて孤立しないでほしい。頼る人がいないのなら、ここ子ども食堂に来てちょっとだけでもいいから話をしてみて。ここには子どもとか親とかだけでなく、おばあちゃんも来れば民生委員の人も来たりするんです。

Rock　やっぱり、お母さんが笑っていると、子供も嬉しいんだよ。大人が笑っていないと。

aicco　特にコロナ禍の中で、経済的な面もそうですが、両親2人だって子育ては大変ですものね。

薫　仕事が忙しすぎて子供の学校の先生の名前も、友だちの名前も知らない、なんていう親御さんもいるんです。家族でご飯を食べる時も会話がない、なんてことをよく耳にしますね。でも時間がなくても親子で話をしてほしい、食べている旬の食材のこととか。
食育という言葉があるように食べることが育てることにもつながるんです。笑っていない子どもたちのためにしてあげられることは何か、それを考えて子ども食堂を始めることにしたんです。

aicco　たまり場のような場所が、小さな社会になって、人との接し方なんかを学んでいくんですね。

薫　でも、ここにくる子どもも、ずっと携帯をいじったりしているんです。そんな時、中学の女の子がいて、「携帯ばかり見てないで、外でドッヂボールやるよ！」とみんなを引っ張り出して行ったんです。まるでジャイアンみたい。昔、ガキ大将がいて大きい子も小さいも一緒になって、真っ暗になるまで一緒に遊んでいたような、子ども世界がここにはあるのかも。

Rock　そんなこともあって、子ども食堂の玄関先にも駄菓子屋を開くことになったんです。

薫　Rockさんに子ども食堂のリフォームも手伝っていただいています。壁や天井板を剥がして、子どもたちのたまり場として集まり遊べる場所になるように。知っている子、近所の子どもたちだけでなく、駄菓子屋にくる子、本当に寂しい思いをしている子どもたちにも、私たちのやっていることを発信できたらいいなと。なかなかできないけれど。

aicco　いえいえ、着実にできていますよ、すごいことです。
今、学校でもオンラインの授業が盛んに行われるようになってきています。でもそれだけで本当にいいのか。やっぱり直接会うこと、人と人の触れ合い、温もりがあってこそ人間としての成長ができるんじゃないかと。子ども食堂がやっているのは、そう言うことなんだと思います。
本当は、子ども自体は今も昔とちっとも変わっていないのでは。変わったのは社会と大人。そんな今の大人は、子どもたちになにを与えられるのでしょう。

Rock　実は、今農業の研修を受けていて、来年から農家になります。子どもが生まれて、自然に触れさせることのできる食育の場があればいいなと思ったんですが、どうせなら自分でやっちゃえと思いつきました。自分が畑を耕して、子どもはその脇を裸足で走らせておけばいいと。

薫　湘南地区は、海もあるけど里山とか自然の残る土地もあるし。

Rock　人がみんな優しくて人が集まってくるしね。今度は畑から情報発信もしたい。

aicco　子どものこと、地元のこと、この話題、あと5時間くらい続きそうですね。

関連記事
茅ヶ崎市 南湖に「南湖こども食堂 波」がオープン 【2月22日】

南湖こども食堂 波ホームページ
https://nami-shokudou.com