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【はぐくむ・つながる・こどもとおとな】第14話 伝えていこう「あなたが大事」そして対話。親も学びが必要な時代④
夏休み、皆さんいかがお過ごしですか?
2020東京オリンピック・パラリンピック大会も終盤。多くのアスリートがたくさんのメダルを手にしましたね。
ところで、オリンピックの基本コンセプトの1つに「多様性と調和」があるのをご存知ですか?これは、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治、障がいの有無など、あらゆる違いを肯定して、互いに認め合うことを示しています。つまり、オリンピックは「人権」と深く関わっているのです。
『性教育』は『人権教育』につながる
オリンピックと同様に、「性教育」も「人権」と大いに関りがあります。
現在主流となっている「性教育」は、ジェンダー平等や性の多様性を含む人権尊重を基盤とした『包括的性教育』。これは、家族・からだ・発達・価値観・行動選択などあらゆる面における多様性を尊重し、個人の健康・安全・幸福を実現しようというものです。つまり「性教育」=「セックス教育」=「タブーな話」という過去のものとは全く異なり、『人権教育』の意味合いが強くなっています。このような『包括的な性教育』や『性と生』の学びは、0歳児から行っていく必要があると言われています。特に大人たちは、性教育をタブー視していたこれまでの「昭和脳」を早急に切り替える必要がありますね。
全国の小中学校で導入される「生命(いのち)の安全教育」
2021年4月に、文部科学省は「生命(いのち)の安全教育」の教材等を公開しました。
「生命(いのち)の安全教育」の教材は、子どもの性被害の増加を受けて、文部科学省と内閣府が、有識者の意見も踏まえながら作成されました。今後、全国の小中学校などで段階的に導入されるそうです。
ここでは、その一部をご紹介します。
【幼児期】
・「水着で隠れる部分」は自分だけの大切なところ
・相手の大切なところを、見たり、触ったりしてはいけない
・いやな触られ方をした場合の対応 等
文部科学省より生命の安全教育教材(幼児向け)
【小学校】
・「水着で隠れる部分」は自分だけの大切なところ
・相手の大切なところを、見たり、触ったりしない
・いやな触られ方をした場合の対応
・SNSを使うときに気を付けること(高学年) 等
文部科学省より生命の安全教育教材(小学校中・高学年向け)
【中学校】
・自分と相手を守る「距離感」について
・性暴力とは何か(デートDV、SNSを通じた被害の例示)
・性暴力被害に遭った場合の対応 等
文部科学省より生命の安全教育教材(中学生向け)
文部科学省資料↓リンク
生命(いのち)の安全教育について (mext.go.jp)
最新!性に関するおすすめ絵本
夏休みは、生物や動物の「いのちのつながり」を目にする機会にあふれています。カブトムシを飼い始めた小学校低学年の子ども達の中には、カブトムシのオスとメスの交尾を目にして興味津々の子もいます。しかし、「人間」の性教育について伝えることはとても難しいのが現状です。そんな中、イラストレーターでもある、たきれいさんがシンプルなイラストでつくった「性の絵本」シリーズはおすすめです!
◆ 性の絵本【1~6+番外編】
作: たきれい 発行社:株式会社キンモクセイ
このシリーズは、幼児期から13歳までのわが子に伝えたいと専門家の協力を得て、製作されたかわいい手のひらサイズの冊子です。こちらはたきれいさんのホームページから購入できます。(性教育読本 – 性の絵本 (jimdofree.com))
◆ 性の絵本
作: たきれい 監修:高橋幸子 出版社:KADOKAWA
こちらは、たきれいさんの「性の絵本」シリーズ『性の絵本1と2』の中から一部を抜粋してまとめたカラーバージョン。ハードカバーになっています。
◆だいじだいじど~こだ?
さく:えんみ さきこ え:かわはら みずまる
出版社:大泉書店
こちらは、7月に発刊された幼児向けの絵本です。幼いころから自分の「からだ」を知ること、プライベートゾーンやプライベートパーツ(水着で隠れる場所や口)と言われるカラダの大事な部分を知っておくこと。自分もお友達も大切な存在であることを伝えています。
このほかにも、年齢別に親子で読んでいただけるおすすめの絵本をまとめてありますので、参考にしていただけると幸いです。
宗藤純子のPower of Love | 湘南・子育て支援
子ども達がこれからの時代に「自分らしく生きる」ことを保障され、個人の決定が尊重されるように、また自分の健康・安全・幸福につながる行動を自らが選択する力を持てるように、家庭や保育現場で学びの機会を設けることが大切です。
夏休み、お子さんとの生活の中で、いのちやカラダのこと、安全のこと、メディアリテラシーなどをぜひ「対話」してみてくださいね。
ーーー筆写紹介ーーー 宗藤純子(むねとうじゅんこ)
藤沢市在住30年。都内私立幼稚園教諭・主任9年を経て保育士・認定子育てアドバイザーとして乳幼児期から思春期までのこども・家庭教育・支援に約25年以上従事。親子ふれあい遊びや絵本通じて肌と心へのタッチ、子どもはひとりの人であることを伝え続ける。Child woman family Supporter ・地域での子育ち親育ち支援サークルと母親のエンパワーによる親子活動・3歳児保育活動等長年主宰し、切れめないつながりと支援を継続。2010年「神奈川県かながわ子育て支援大賞・奨励賞」授与。 ・鎌倉市の産科診療所開設当初より、外部講師として「こんにちは赤ちゃん」事業に携わり、産前産後から思春期。女性・更年期講座等約11年。 ・「子育ては個(性)育て。己育て」を軸に行政・PTA家庭教育・子育て支援者向け講演、2009年より教育現場・思春期講座等で、年齢に応じた「いのちのおはなし」や保護者向け勉強会など講演講座も多岐にわたり多数。 ・保育者のための雑誌「POT」あそびパーク012寄稿担当や保育・教育を学ぶ短大大学で客員講師として講演。2019年度より現在、非常勤講師として帝京短期大学『乳児保育』担当。 ・株式会社OfficeLadybird代表取締役 Web サイト: http://junkomuneto.com メール:momopiyo.love@gmail.com ◆子育ての会ベビーぴよぴよ012連絡帳 https://ameblo.jp/piyopiyostaff/
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