「スプーンで食べさせる離乳食」はもう古い?!最新離乳食事情。赤ちゃん主導の離乳食とは?【はぐくむ・つながる・こどもとおとな】第8話
新たな1年がはじまりました。
写真は、鵠沼海岸からの2021年の初日の出。
コロナの収束と地球の平和を、そして、すべての人が心穏やかに過ごせることを願いました。
さて、新年第1回目は子ども達が成長していくうえで大事な「食」について。
なぜかというと、
「食」という字は「人を良くする」からです。
大事な視点での離乳食の進め方をご紹介したいと思います。
目次(クリックで各項目にジャンプします)
・離乳食って大変!でも、それで良いの?
・離乳食はあくまで栄養を補うための「補完食」
・赤ちゃん主導の離乳食【BLW】
・BLW どんなものをどんな風に食べるの?
離乳食って大変!でも、それで良いの?
いま、乳児育てのお母さん達から耳にするのは、「離乳食は難しい!作るのが大変!辛い!つくっても食べてくれない」……などの声!
「離乳食について保護者が一番困っていることは?」2016年 厚生労働省調査結果
1位 作るのが負担・大変
2位 丸のみする
3位 小食・偏食
4位 食べさせるのが負担
かつて私がお世話になったベテラン助産師さんが、
「つくることが大変!ってママ達がいうけれど、
赤ちゃんの食べるのものは、大人の食べるものをお母さんの母乳で薄めてあげればいいのよ」(!)と真面目にお話されていたことを思い出します(笑)
赤ちゃんだって、ご家族だって、食事は楽しい場でありたいと願っているのに
苦になるイメージはもったいないですね。
離乳食はあくまで栄養を補うための「補完食」
「離乳食」は「補完食」ともいわれてます。
WHO(世界保健機関)が「離乳食」に替わる言葉として提唱し、母乳だけでは足りなくなる栄養を補うための食事のことです。
離乳食を始めても、母乳やミルクを減らさなくてもいいですよ。というメッセージも込められた「補完食」。
英語では Complementary Feeding といいます。
Complementary というのは、補う、補完するという意味ですね。
(母乳大好きな20年前の息子の6か月の手づかみ食べ・・・・・懐かしい💦)
赤ちゃんが自ら食べる離乳食!!〈BLW〉
離乳食でご家族が悩まない方法の一つとして、
〈赤ちゃん主導の離乳〉=BLW(Baby Led Weaning)という英国発の育児法があります。
助産師でもあり保健師でもあるジル、ラプレイさんが提唱し2008年に刊行された著書『「自分で食べる!」が食べる力を育てる』(原書房)は、20か国以上で翻訳されました。
赤ちゃんに離乳食をスプーンで与える方法と、赤ちゃんが手づかみ食べをする方法を比較研究されて出版されました。
一般社団法人日本BLW協会 公式サイトはこちら
赤ちゃんが自分で食べる順番や量、ペースを決めて無理なく進めていくのがBLW。
BLWの離乳食のスタートは「手づかみ食」からはじめることで、ドロドロした離乳食をスプーンで保護者が口に運ぶ、親主導ではないのです!
「食べさせる」離乳食ではなく「自ら選んで食べる」離乳食の考え方。
2019年には提唱者のGill Rapley, Tracy Murkett 両氏が日本に招かれ、講演やワークショップが開催されました。
私も参加してきましたが、歯科医の方のご関心の高さをとても感じた時間でした。
BLWは、口と歯、全身の発達にも関係してくるのです。
一般社団法人日本BLW協会(尾形夏実創設)から日本のお母さん達にもわかりやすい「BLWをはじめよう!」(原書房)が出版されています。
正しく安全にはじめる方法や具体的な食材の知識とレシピなど、イラストや写真も豊富に丁寧に解説されています。
BLW どんなものをいつどんな風に食べるの?
BLWはメソッドではなく、赤ちゃんが家族と一緒に食卓を囲み、食べ物を探求し、楽しみながら「食」との良好な関係性を育んでいゆく。
家族はそれを見守り、赤ちゃんの意志を尊重すること。
(尾形夏実さんから参考)
◆6か月(ブロッコリーをてづかみ食べ)
◆7か月(おにぎりにかぶりつき!!)
◆8~9か月(サツマイモ、手羽元は骨まできれいに食べちゃう!)
赤ちゃんにとって最初の離乳食(補完食)が、自分の意志で食べ物に手をのばして口に運ぶことからはじまると、赤ちゃん自身も自分で食べる楽しさや嬉しさに繋がります。
赤ちゃんは言葉が話せなくても意思がちゃ~んとあります!
離乳食(補完食)を通じて、赤ちゃんは五感をフル回転!食材の味やにおい、色やかたち。そして手づかみをしてふれ、食感を確かめる。
赤ちゃんが自ら楽しんで、食と出会っていけると、お母さんの「~するべき~しなければ」が軽減できるかもしれません。
今や成人している我が子達の離乳食時期は、汚れてもよいように新聞紙を敷き、赤ちゃんが自分で手づかみ食べして、べちゃべちゃ食べさせていた時代でした。
最近ではママ達からの「汚したくない!」 という声を聴くようになっていますが、赤ちゃんがやりたい気持ちを大事にする、赤ちゃん主導の子育て視点、ママ達の視点が変わり、ママがワクワクするような離乳食のすすめを色々試していけるとよいですね。
*
BLWの特別講座 湘南で開催中
BLWの実践のお話を尾形夏美さんから直に教わるチャンス!
宗藤先生が主宰する支援型サークル「子育ての会ベビーぴよぴよ012」では特別講座としてお話しいただく機会をつくっています。
次回 3月19日(木)
関心のある方は下記、宗藤先生まで
Web サイト: http://junkomuneto.com
メール:momopiyo.love@gmail.com
ーーー筆写紹介ーーー
宗藤純子(むねとうじゅんこ)
藤沢市在住30年。都内私立幼稚園教諭・主任9年を経て保育士・認定子育てアドバイザーとして乳幼児期から思春期までのこども・家庭教育・支援に約25年以上従事。親子ふれあい遊びや絵本通じて肌と心へのタッチ、子どもはひとりの人であることを伝え続ける。Child woman family Supporter
・地域での子育ち親育ち支援サークルと母親のエンパワーによる親子活動・3歳児保育活動等長年主宰し、切れめないつながりと支援を継続。2010年「神奈川県かながわ子育て支援大賞・奨励賞」授与。
・鎌倉市の産科診療所開設当初より、外部講師として「こんにちは赤ちゃん」事業に携わり、産前産後から思春期。女性・更年期講座等約11年。
・「子育ては個(性)育て。己育て」を軸に行政・PTA家庭教育・子育て支援者向け講演、2009年より教育現場・思春期講座等で、年齢に応じた「いのちのおはなし」や保護者向け勉強会など講演講座も多岐にわたり多数。
・保育者のための雑誌「POT」あそびパーク012寄稿担当や保育・教育を学ぶ短大大学で客員講師として講演。2019年度より現在、非常勤講師として帝京短期大学『乳児保育』担当。
・株式会社OfficeLadybird代表取締役
Web サイト: http://junkomuneto.com
メール:momopiyo.love@gmail.com
◆子育ての会ベビーぴよぴよ012連絡帳
https://ameblo.jp/piyopiyostaff/
*****