メルシャン藤沢工場
工場長・大金修さん
メルシャン藤沢工場が創業100年
藤沢をワインの街に
カジュアルに楽しんで欲しい
日本一のワイン生産量を誇るメルシャン藤沢工場は、今年、創業100周年を迎えます。この4月工場長に就任した大金修さんに、ワインの魅力と気軽に楽しむ方法をお聞きしました。
−大金さんにとって、藤沢とワインの関係は?
この工場には200人近い社員が働いていますが、そのほとんどが藤沢市民です。だからみんなに地元のアンバサダーになってくれと(笑)。ソムリエの資格を持っている社員も多くいるんですよ。私も今勉強中で、電話帳くらい厚さのあるテキストの情報を覚えているところです。
現在は川崎在住で、藤沢から都心へ向かう電車と逆方向なので、比較的空いていますが、都心方向は、満員電車の通勤でかわいそうだな、と思っていました。でもコロナ禍で在宅、リモート勤務が増えて自宅でも働くことが増えると、逆に藤沢は、住むにも働くにもとてもいい街だと認識されてきていると思います。
藤沢にはアクティブな人が多く、特にシニアが元気ですね。私も負けないように、健康のためにジョギングを行っています。江の島折り返しの湘南国際マラソンも完走しました。
地元の人たちには、ワインを郷土のお酒として、もっと親しんでいただけると嬉しいですね。実は、2018年から藤沢工場勤務になったのですが、それまでは名古屋勤務、ビール畑(グループ会社のキリンビール)一筋でした。
仕事柄、お酒が苦手という社員は少ないみたいです。私自身もお酒はかなり飲みまが、藤沢工場に来てワインも同じペースで飲んでいたら、大変なことになりました(笑)。ここで作っているワインは、それだけ手軽に楽しめるということですね。
−ワインも身近になりましたが、まだまだ特別な飲み物の感じがします。
ひと口にワインといっても、特別な日に飲むものから、もっと手軽に飲むカジュアルなものまで、幅広くあります。メルシャンは、日本にワイン文化を広めるために、様々な種類のワインを提供していますが、ここ藤沢工場では、多くの人に親しんでもらえる、カジュアルでお手頃な製品を中心に製造しています。いわゆるデーブルワインという、いつでも気軽に飲めるものです。
ワインというと、どうしてもちょっと年配者向けの格式ばったイメージがありますが、若い人たちのアイデアで、もっと気取らずに楽しむ方法も提案しています。
例えは、ロックにしたり、サワーで割ったり。ホットにしてもいいですし、スパークリングワインを凍らせるとシャーベットのようになって美味しいとのこと。さらにスイーツと合わせたり、ワイン自体をデザートとして楽しむこともお勧めしています。
藤沢工場のワインは、原料となるブドウ果汁にこだわり、50年以上前から海外のネットワークを通じて調達、管理を徹底しています。そのことで、日本の消費者の方々にブランドとして認知していただけていると思います。
メルシャンが今年6月に発売した新ブランドの「メーカーズレシピ」というスパークリングワインは、藤沢工場の若手醸造技術者が企画して、工場が一体になって開発したもの。まさに藤沢工場発にして初の取り組みなので、ぜひ市民の皆さんにも知っていただきたいですね。
新型コロナ感染の影響で日本の活力が低下していますが、この工場で働くみんなが安心できるように、また地域の人にも愛されるようになって、さらには地元藤沢を元気にできるようになればいいと思います。
大金 修(おおがね おさむ)プロフィール
1967年生まれ、栃木県出身。筑波大学大学院(環境科学研究科)修了。1991年キリンビール株式会社(KB)エンジニアリング事業部入社後、KB生産本部技術研究所、KB生産本部名古屋工場(副工場長)などに勤務。2018年4月からメルシャン株式会社・藤沢工場勤務(副工場長)。2020年4月より執行役員・工場長に。趣味はジョギング、ゴルフ、釣り。モットーは「変化の先に進化がある」。