来日3年目。茅ヶ崎の人々と一緒になりながら「映画監督になりたい」夢の第一歩を叶えたクリエイター。(57inc.)
湘南地域で活躍する人々を紹介する【POWER PEOPLE】。
今回紹介するのは、動画クリエイター57inc.(フィフティーセブンインク)のコントレオン・ジョージさんと齋藤あゆ美さん。
【contents】
・日本で映画を作りたい!
・どんな映画を作ったの?
・茅ヶ崎の魅力って?
・今後の57inc.は?
日本で映画を作りたい!
オーストラリア出身のジョージさんと、日本出身のあゆ美さんご夫妻は、「日本で映画監督になる」というジョージさんの夢実現のため2021年にオーストラリアから来日。
移住の場所としてさまざまなエリアを考えた結果、選んだのが茅ヶ崎でした。その理由は「茅ヶ崎はオーストラリアのビーチタウンに似ていて、キレイで暖かいから」。
あゆ美さんが「日本人よりも日本人らしい」と表現するほど日本文化が大好きなジョージさんは、謙虚で真面目。
茅ヶ崎でできた友人知人とともに
市内随一のイベント、浜降祭にもすでに二度参加してお神輿を担ぐなど、すっかり茅ヶ崎コミュニティの一員です。
そんな二人に、茅ヶ崎や湘南の魅力と今後の展望について伺いました。
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取材のため今回aiccoが訪れたのは、8月31日(土) 茅ヶ崎市の うみかぜテラスで行われた映画の上映会。
上映されたのは、「食べることは生きること〜アリス・ウォータースのおいしい革命〜」。
オーガニックの母と呼ばれたアメリカ人活動家 アリス・ウォータース氏が2023年に日本各地で「食」に対する想いを伝えたドキュメンタリー映画です。
市内外の有機農家や関係者、市民ら約250人が観覧しました。
そしてこの日、同時上映されたのが、57inc.さんによる自主制作ドキュメンタリー映画「アリス・ウォータース〜茅ヶ崎に吹いた風〜」。
茅ヶ崎市内では有機農家などが中心となって24年5月に「食べることは〜」が上映され、
アリス・ウォータース氏の考えに共感をした人々が、有機野菜のマルシェを開いたり、自社製造米での酒造りやエディブルスクールヤード(学校菜園)活動をしたりするなど、行動に移し始めています。
57inc.さんが制作したのはこの様子を映画にしたもので、
有機農家 「茅ヶ崎どっこいファーム」代表 吉野正人さんがナビゲーターとなり、茅ヶ崎市の有機農家、酒蔵会社経営者、幼稚園経営者、市民活動家など9名と有機野菜を中心に有機的な生き方について語り合うというもの。
作品では、有機野菜がテーマにされていることもあり、「映像美にはこだわっています」の言葉どおり、
みずみずしく元気な野菜の表情や、美しい茅ヶ崎の風景、明るく前向きな茅ヶ崎の人々の表情が印象的に仕上がっていました。
制作にあたっては、
友人だったという吉野さんから依頼を受けて、企画から撮影編集までの制作期間3ヶ月間。
市内各所の撮影、編集をジョージさん、全体の進行管理・ナレーションをあゆ美さんが担当。
「音声など技術的に難しい点もありましたが、観てくれる方々に伝わるように編集にもこだわり、時間をかけて丁寧に作りました。」と、謙虚で真面目な性格が仕事にも現れていました。
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「二人で試行錯誤しながら本気で向き合って協力して、寝食忘れて取り組んで仕上げた」、という同作。
それほどまでにこの映画制作に精魂を込めたのは、57inc.さんにとって処女作だから、という理由だけではなさそうでした。
57inc.さんが思う茅ヶ崎の魅力は?
環境の良さをあげた上で、
「縁もゆかりもない私たちのような新参者を受け入れてくれて、映画制作を依頼してくれた。人と人が繋いでいけるコミュニティの温かさが茅ヶ崎のいいところです、優しい人ばかりで本当に大好きな街。だからこそ感謝の気持ちで応えたいと、クオリティにこだわり綺麗な映像にしたかったです。」
移住してきた茅ヶ崎があたたかいのは、気候だけではなくそこにいる人々の心も、と実感しているのだそう。
上映会後の食事会「おいしい交流会」でも二人はあくまで裏方に。ジョージさんは交流会の様子を新たな動画にすべく撮影していました。
こういった二人の愚直な姿勢もまた、温かく迎え入れられる一つの要因なのかのしれませんね。
今後は?
映画を作るという夢の第一歩を踏み出した57inc.の二人。
これまでどおり、ファミリームービーやPRムービー制作の依頼にも応えつつも、
人々の半生や会社のストーリーを記録映画にしたり、地域活動を映画にして広報をすることなど、映画制作の相談もすでに受けているそう。
いずれは「ドキュメンタリーのみならずさまざまなジャンルの映画を撮っていきたい」と語るジョージさん。
57inc.の挑戦は始まったばかりです。