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#グルメ #地元ニュース

おいしいたのしい 湘南ローカル農産物語 ⑫キクラゲ

2023.12.02

寒い季節になると、熱々の中華料理が恋しくなります。
中華料理の名わき役の1つが、キクラゲです。プルプルでコリコリの食感はもちろんのこと、黒い色は彩り豊かな料理を引き締めてくれます。
湘南地方では、キクラゲの生産は夏場が中心です。夏場に需要が減るシイタケの代わりに栽培しています。
そんなとき、直売所「米ディハウスくげぬま」の店長さんから「一年中出荷している農家さんがいるよ」と、教えてもらいました。さっそく伺ってみると、そこは…。
案内人は、JAさがみの農アンバサダーLioさんです。

取材にお邪魔したのは、藤沢市石川にある長嶋園芸さん。栽培しているところに案内してもらうと…。
え? ここは地下室? 秘密基地??

入口はこちらです

中はトンネルが続いていました。
壁をみると素掘りで、ノミのあともくっきりとわかります。
頭の中には、インディー・ジョーンズやサンダーバードの音楽が流れています。

素掘りの跡

じつはこれ、第二次世界大戦中の防空壕の跡です。
昭和30年代に掘り広げて、室(むろ)にしました。しばらくは春のウド栽培に使っていましたが、2年前からキクラゲ栽培も手掛けるようになりました。

この奥にキクラゲが?

そのまま奥に行くと、ありました、ありました。ここがキクラゲ栽培をしている室(むろ)です。

キクラゲを栽培する室(むろ)

キクラゲはこんなふうに生えています。
菌床(きんしょう)というブロックに生やして育てます。

防空壕の中は、夏も冬も温度がほぼ一定で、湿度や明るさも制御しやすい環境です。この夏の猛暑も、おかげさまで大きな影響もなかったそうです。

収穫前のキクラゲ。ぷりぷり~!

とはいうものの、おいしいキクラゲにするには、絶え間ない調整が必要です。

温度・湿度はもとより、明るさも。「本が読める程度の暗さ」がキクラゲ好みだとか。そして、酸素も必要です。そうか!光合成をしないから、二酸化炭素でなく酸素が必要なんですね。

こんなダクトを作って、外気を送りこんでます。

外気を送り込むダクト

大きく育ったら、収穫です。
手で一つ一つ丁寧に摘み取っていきます。

丁寧に摘み取ります

目視で品質を確認し、重さを量ってパックに詰めます。

最後は人の目でチェック

こちらが、藤沢産の生キクラゲです。
直売所には「冬でも地元の生キクラゲが食べらるなんて!」という、喜びの声も届いています。
米ディハウスくげぬまのほか、わいわい市藤沢店、グリーンセンター渋谷に出荷しています。
冬野菜と一緒に炒めたり、タンメンに入れたり、これからの季節も大活躍します。

藤沢産のシールも誇らしげ

いま、世界中がきな臭くなっています。戦火を逃れて防空壕に避難するのではなく、防空壕でキクラゲを栽培しているという平和を、ありがたく感じます。
地元産キクラゲをたっぷり使ったタンメンを食べながら、平和な世の中になりますようにと願いました。

平和な世の中になりますように

取材協力
長嶋園芸
米ディハウスくげぬま

過去の「おいしいたのしい 湘南ローカル農産物語」はこちら

JAさがみHPには、湘南地区の野菜・農産物情報が満載です!
https://ja-sagami.or.jp

JAさがみは神奈川県のほぼ中央、湘南の自然と都市が調和した7市1町(藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町、綾瀬市、大和市、鎌倉市、座間市、海老名市)をエリアとし、農業生産物を柱に地域のに貢献する様々な取り組みを行っています。執筆者のLioさんは、JAさがみの農アンバサダーとして、HPや各メディアで発信を行っています。

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