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【Junko Muneto 私の本棚から】2023年・卯年!親子3代愛され続けるうさぎの絵本たち㉑

2023.01.23 子ども 子育て 絵本 親子

湘南ママたちから絶大な人気と信頼を誇る、認定子育てアドバイザーの宗藤純子先生がおすすめする絵本のコーナー。
今回は今年の干支にちなんで、長年愛され続けるうさぎの絵本をご紹介します。。

寒中お見舞い申しあげます。
2023年の干支は「卯年」。
ということで、今回は、懐かしい「うさこちゃんシリーズ」や、子どもに大人気の絵本まで、親子3代で読み継がれる絵本を我が家の本棚から紹介したいと思います。

多くの家庭で愛され続ける「うさこちゃんシリーズ」

私の記憶のなかで一番最初に手にして、かれこれ半世紀以上もの間大切にしている絵本が「うさこちゃんシリーズ」です。
「うさこちゃんシリーズ」(全8冊)は、1964年6月1日に、福音館書店から「子どもがはじめてであう絵本」として出版されました。当時の価格は250円だったと思います。
特に「ちいさな うさこちゃん(春の巻)」は、初版発行から1年半ほどで、第6刷が発行されるほど、多くの家庭で読み語られました。
現在も我が家の本棚には、そのうちの5冊が並んでいます。「うさこちゃんシリーズ」は、私にとっては、読んでもらうよりも、自分で読んだ印象が強い絵本です。

■「ちいさなうさこちゃん」
文・絵:ディック・ブルーナ 訳:いしい ももこ 出版:福音館書店

うさぎのふわふわさんとふわおくさんに、赤ちゃんが生まれました。
あちこちから動物が赤ちゃんを見にきますきます。
おなじみの「うさこちゃん」シリーズのはじまりのお話です。
シンプルだけど、子どもたちの心にずっと残っていく
世界中で愛されているロングセラー絵本です(出版社より)

うさこちゃんのモデルになったのは、作者であるブルーナさんが休暇を過ごした家の庭にいたうさぎです。ブルーナさんは、眠りにつく息子さんに、この小さな白いうさぎについて話してあげようと思いました。このときのアイデアが、後にうさこちゃんの物語へとつながったそうです。

うさこちゃんとミッフィー

うさこちゃんのもともとの名前は、オランダ語で「ナインチェ」。
「ナインチェ」は「うさちゃん」といった意味だそうです。
「ナインチェ」という音の響きとその意味から、翻訳家の石井桃子さんが「ふわふわうさこちゃん」、「うさこちゃん」と名付けたそうです。
ミッフィー」(Miffy)とも呼ばれているうさこちゃんですが、これは、1960年にイギリスで英語版が出版された際に付けられた名前です。
世界各国で、その国の子ども達に最も親しまれる名前をつけたため、数多くの名前が存在することになりました。

【うさこちゃんの歴史】

ぴんと耳がたったうさこちゃんは、素直でやさしくてあたたかい、うさぎの女の子。
1963年にオランダで刊行された『nijntje』に登場したのが始まりです。
日本では1964年に『ちいさなうさこちゃん』として翻訳出版されました。
その後も、耳のまるみや顔のふくらみなど、少しずつ変化しながら今日にいたります。
ブルーナさんが描くうさこちゃんの線は一見とてもシンプルです。
しかし、輪郭の丸みや耳の角度など、ひとつのうさこちゃんの絵ができあがるまでには、数えきれないほどのスケッチが重ねられたそうです。

また、うさこちゃんシリーズに登場する家族や友達は、とても魅力的です。

うさこちゃんのおとうさんはふわふわさん。
おかあさんはふわおくさん。
あかちゃんに、大工仕事がとても上手なおじいちゃん。
編み物が得意で、ものを作ることの楽しさを教えてくれるおばあちゃん。
パーティなど楽しいことが大好きな、おばさんのふわこさん。

ブルーナさんはこう言います。
「くまのボリスは、南フランスの別荘で休暇を過ごしている時に思いつきました。絵本に出てくる主人公たちは、私や家族など身近な人たちの面影が重なっていることが多いかもしれません」

いまだに多くの国で愛され続けるうさこちゃんシリーズ。親子3代、読み継がれて、とても素敵です!

もう少しブルーナさんのことや、うさこちゃんを知りたい!と思ったら、この本がおすすめです。

■「ディック・ブルーナのすべて」
ディック・ブルーナノスベテオールアバウトディックブルーナ編 講談社 監:ディック・ブルーナ 監:メルシス社

時代を超え、世界中で愛され続ける絵本作家ディック・ブルーナの作品づくりの秘密がわかる一冊!ミッフィー、ボリス、スナッフィー……、ブルーナ絵本の人気者たちが勢揃い。性格、特長、誕生秘話などを分析。秘蔵写真とともにたどる誕生から現在までの足跡。ブルーナ氏の素顔に迫る、本人、夫人、3人の子どもたちの貴重なインタビュー集。母国オランダのブルーナ氏ゆかりの地を紹介。装幀、ポスター、切手、ロゴ……、幅広いブルーナさんの業績をまとめた永久保存版!(出版社より)

そして「うさこちゃん」50回目の誕生日を記念して作られた特別版の絵本がこちらです。

■「うさこちゃんのたんじょうび 50周年記念特別版」
文・絵:ディック・ブルーナ 訳:いしいももこ 出版社:福音館書店

誕生日は、みんなからたくさん祝福されます。
ある朝、早起きして頭から足の先まできれいに洗い、
いちばん大好きな花柄のワンピースを着ます。
なぜなら、今日はうさこちゃんの誕生日だからです。
お父さんとお母さんがうさこちゃんに「誕生日おめでとう!」といいます。
うさこちゃんはうれしくなりました。
友だちもお祝いにやってきてくれて、パーティーのはじまりです。
夜にはおじいちゃんとおばあちゃんがプレゼントを持ってやってきて、
ぬいぐるみのくまさんをもらいました。(出版社より)

■「うさこちゃんとあかちゃん」
文・絵:ディック・ブルーナ 訳:まつおかきょうこ 出版社:福音館書店

ある春の日、もうすぐうちに赤ちゃんがうまれると知ったうさこちゃんは、大喜び。
生まれてくる赤ちゃんに、贈り物をつくろうと決めました。
初めてお姉さんになるうさこちゃんのお話です。

■「うさこちゃんのはたけ」
文・絵:ディック・ブルーナ 訳:まつおかきょうこ 出版社:福音館書店

うさこちゃんがひとりで畑をつくります。
ひとりで畑をつくることにしたうさこちゃん。
つなぎを着て、土を掘り起こし、平らにならします。
種をまいて、じょうろで水をやると、芽が出てきました。
ぐんぐん芽が伸びた頃、そうっと1本抜いてみると、びっくりするものが出てきました!
うさこちゃんは大喜び。何がとれたのでしょう?
畑で植物を育てることを一つ一つ丁寧に描き、その喜びをいきいきとした文章で表しました。(出版社より)

 

子どもが大好きなうさぎの絵本

うさこちゃんシリーズ以外にも、長い間子ども達に親しまれてきたうさぎの絵本をご紹介します。

■「わたしのワンピース」
作:西巻 茅子 出版社:こぐま社

うさぎさんがワンピースを作りました。
それを着てお花畑を散歩すると、ワンピースが花模様に・・・
次々変わるワンピースの模様。
日本を代表するファンタジー絵本です。(出版社から)

『わたしのワンピース』が出版されたのは1969年。なんと今から50年も前のこと!
鎌倉にご自宅とアトリエがある西巻茅子さんの作品で、3世代にわたり読み継がれているロングセラー絵本です。
西巻さんは、物語だけでなく、絵そのものを楽しめる絵本を作りたいと思っていました。そこで絵の変化を楽しめるよう、たくさん描いて生まれたのが「わたしのワンピース」です。
「ミシンカタカタ」
「ラララン ロロロン わたしににあうかしら」
今日はどんな空模様?今日はどんな日?
すてきなワンピースはいつの時代も夢いっぱいですね

■「ぼくにげちゃうよ」
作:マーガレット・ワイズ・ブラウン 絵:クレメント・ハード 訳:岩田みみ 出版社:ほるぷ出版

子うさぎと母さんうさぎの交わされるほのぼのとした会話のやりとり。
ある日のこと、子うさぎは家を出てどこかに行ってみたくなりました。
そこで母さんうさぎに「ぼく、逃げちゃうよ」と話すと、
母さんうさぎは「おまえが逃げたら、母さんは追いかけますよ。
だって、おまえはとってもかわいいわたしのぼうやだもの」と答えました。

この絵本は、1942年初版の古典絵本ですが、今もなお愛され続けています。現在の親子に必要な対話が垣間見られる素敵な親子のお話です。絵本の作者マーガレット・ワイズ・ブラウン氏は、アメリカ ニューヨーク州生まれ。こどもの本の編集者を経て、絵本作家になりました。幼児の好みを知り尽くしているとも言われ、心がほっこりする絵本作品が多いです。

■「おやすみなさいのほん」
作:マーガレット・ワイズ・ブラウン 絵:ジャン・シャロー 訳:石井桃子 出版社:福音館書店

夜になって日が沈み、動物達も鳥達も魚達も、船も飛行機も自動車も、そして子どもたちも眠りにつきます。
ひとつひとつ、眠りにつく様子が描かれています。
そして最後に神様へお祈りします。
「ものいえぬちいさなものたちをおまもりください」

この絵本は、幼い頃、近くの教会に通っていたこともあり、記憶に残る大切な一冊です。

みなさんにとって、大切な絵本、幼き頃に出逢った絵本、思い出に残っている絵本はありますか?
母から子へそして孫へ
祖母から母へそして子へ
父から子へそして孫へ
どのような絵本が読み継がれていくのでしょう。

2023年も絵本の世界を親子で共有し、感じて、楽しめますように。

 

ーーー筆者紹介ーーー 宗藤純子(むねとうじゅんこ)

藤沢市在住30年。都内私立幼稚園教諭・主任9年を経て保育士・認定子育てアドバイザーとして乳幼児期から思春期までのこども・家庭教育・支援に約25年以上従事。親子ふれあい遊びや絵本通じて肌と心へのタッチ、子どもはひとりの人であることを伝え続ける。

地域での子育ち親育ち支援サークルと母親のエンパワーによる親子活動・3歳児保育活動等長年主宰し、切れめないつながりと支援を継続。2010年「神奈川県かながわ子育て支援大賞・奨励賞」授与。

・鎌倉市産科診療所「ティアラかまくら」開設当初より閉院まで12年間、外部講師として「こんにちは赤ちゃん」事業、産前産後から思春期。女性・更年期講座等携わる

・「子育ては個(性)育て。己育て」人間教育を軸に行政・PTA家庭教育・子育て支援者向け講演、教育現場・思春期講座等で、保護者向け勉強会など講演講座も多岐にわたり多数。
幼小中学生、年齢に応じた「いのち・こころ・からだ」を子ども達に伝え、対話を継続中

・保育者向け雑誌「POT」あそびパーク012寄稿担当や保育・教育を学ぶ短大大学で客員講師として講演。2019年度より非常勤講師として帝京短期大学『乳児保育』担当。

・株式会社OfficeLadybird代表取締役

◆Web サイト:http://junkomuneto.com

連絡先:omopiyo.love@gmail.com

◆子育ての会ベビーぴよぴよ012連絡帳

 

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