有隣堂藤沢店スタッフの皆さんによる、特集企画です。店内に豊富に並ぶ文庫、ビジネス、絵本など様々なジャンルから、同店ならではのイチオシの書籍をご紹介いただきます
日本にバレエを伝えた人のものがたり「すなはまのバレリーナ」(川島京子 文・ささめやゆき 絵)
1917年ロシアから亡命してきたエリアナ・パヴロバは、まだ和服を着る人が多い日本でバレエ教室を始めました。
鎌倉・七里ガ浜。
日本のバレエ史はここから始まりました。
そんなエリアナの元へ、小さなころから踊ることが大好きだった橘秋子という少女がやってきます。
エリアナの学校に入学した秋子は、誰よりもうまくなるため、一生懸命バレエを学びます。
授業時間だけでなく皆が寝静まったあと、学校の前に広がる砂浜でひとり、練習しました。
しかしそんな二人を、容赦なく戦争が飲み込んでいきます。
国内では外国の芸術に対する目がどんどん厳しくなり、エリアナはバレエ学校を続けるため、日本人になる決断をします。
いつでも、どんなときでも、バレエとともに。
そんな思いで出向いた戦地慰問先の中国で、エリアナは亡くなってしまいました。
焼け野原に立つ秋子の耳にエリアナの言葉が蘇ります。
「どこへいっても なにももっていなくても 身につけたおどりが 一生の財産よ」
エリアナの言葉を胸に秋子はバレエ学校を新たに設立し、多くの人に国境のない芸術、バレエを伝え続け、その意志は娘にも受け継がれました。
バレエに人生を捧げたエリアナと秋子、そしてその娘のものがたり。
ぜひ読んで頂きたい1冊です。
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有隣堂 藤沢店
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