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【Junko Muneto 私の本棚から】絵本作家・堀内誠一さんの絵の世界⑰
2022.06.02 おおきくなるの かにこちゃん ぐるんぱのようちえん クレマチスの丘 くろうまブランキー こすずめのぼうけん たろうのともだち たろうのひっこし ロボットカミィ 堀内誠一 本 神奈川近代文学館 絵本
湘南ママたちから絶大な人気と信頼を誇る、認定子育てアドバイザーの宗藤純子先生がおすすめする絵本のコーナー。
今回は絵本作家、堀内誠一さんの絵本をご紹介します。
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ぐるんぱのようちえん(西内 ミナミ 作 / 堀内 誠一 絵 出版社:福音館書店)
「幼い頃に読んだ思い出の絵本はなんですか?」
子育てをしているパパやママにこの質問をすると、よくかえってくるのが「ぐるんぱのようちえん」です。
誰もが知っているロングセラー作品ですね。
私も大好きな作品の一つで、我が家の本棚には、ぐるんぱのぬいぐるみが置いてあります。
絵本を読むときに、「この絵本を作ったり、絵を描いたのはどのような方なのか」などを意識して読んだことはありますか?
温かみを感じる「ぐるんぱのようちえん」の絵を描いたのは、絵本作家の堀内誠一さんです。
堀内誠一さんは、デザイナーでありつつ、パパやママ世代にはなじみ深い「マガジンハウスの雑誌anan」「クロワッサン」「BRUTUS」「POPEYE」「Olive」のタイトルロゴを手がけた名アートディレクターでもあります。
私がこのことを知ったのは、28年前。産院で知り合ったママ友から聞きました。というのも、実は彼女は、堀内誠一さんの姪っ子さんだったのです。
それまで、堀内誠一さんといえば、絵本作家という認識しかなかった私にとって、人気雑誌のタイトルロゴのアートディレクターだったという事実は衝撃的でした。
1987年に、堀内誠一さんは享年54歳という若さで逝去しましたが、それ以前も今も大好きな作家さんの一人です。
(堀内誠一さんのヒストリー記事はこちらから)
『堀内誠一 絵の世界展』が全国で開催中
堀内誠一さんが生誕90年にあたる今年。堀内さんの創作の原点である絵本に焦点をあてた『堀内誠一 絵の世界』展が、2022年1月4日の京都を皮切りに、静岡、神奈川、広島など全国で開催されています。
現在は、クレマチスの丘 ベルナール・ビュフェ美術館で開催されています。
この美術館での展示は今までとはひと味違い、堀内誠一さんの人生の中で絵に関わる歴史など非常に奥深い企画になっています。
『ぐるんぱのようちえん』『たろうのおでかけ』『こすずめのぼうけん』など人気作品の原画のほか、雑誌の表紙やデザインの仕事、旅先で描いたスケッチや絵手紙なども合わせて、約150点もの作品を展示し、堀内さんの豊かな創造の世界を味わえる空間になっています。
堀内さんが生み出した世界観をぜひ感じてほしいですね。
クレマチスの丘 ベルナール・ビュフェ美術館
開催期間:2022年3月19日(土)~7月25日(月)
堀内誠一 絵の世界 – キッズアートプロジェクトしずおか (kidsart-shizuoka.com)
神奈川での開催「県立神奈川近代文学館」
開催期間:2022年7月30日(土)~9月25日(日)
我が家の本棚から、愛読してきた絵本作家 堀内誠一さんの絵本を紹介いたします。
たろうのともだち(村山 桂子 作 / 堀内 誠一 絵 出版社: 福音館書店)
「ともだち」ってどんな存在かな?
友だちが欲しいコオロギは、散歩の途中で会った機嫌の悪いヒヨコの家来にされてしまいます。ヒヨコの家来になってついていくと、ヒヨコはネコの家来に、ネコはイヌの家来に次々とされてしまいます。しまいに4匹はたろうと出会いますが、たろうは「けらいなんて、ぼくいやだ! 」ときっぱりお断り。するとみんなも口ぐちに「けらいなんてぼくもいや! 」と続きます。そこで、みんなは仲良しの友だちになって庭を散歩しました。(福音館書店絵本紹介より)
こすずめのぼうけん(ルース・エインズワース 作 / 石井 桃子 訳 / 堀内 誠一 画 出版社:福音館書店)
こすずめが、初めて空を飛んだ日の出来事。
こすずめはお母さんから飛び方を教わりました。羽根をぱたぱたやっているとちゃんと空中にういているので、こすずめはおもしろくなってどんどん遠くまで飛んでいきました。
そのうちに羽根が痛くなったので休もうと思いましたが、ようやく見つけた巣にはカラスやヤマバトやフクロウがいて、中に入れてもらえません。やがてあたりは暗くなって……。骨格のしっかりした物語絵本です。(福音館書店絵本紹介より)
たろうのひっこし(村山 桂子 作 / 堀内 誠一 絵 出版社:福音館書店)
1枚のじゅうたんが、自分の居場所に変身。
たろうがお母さんに自分の部屋がほしいというと、お母さんは1枚の赤いじゅうたんをもってきて、「これを広げたところがたろうのお部屋よ」といいました。たろうが階段の下にじゅうたんを広げると、ネコのみーやは窓のある部屋がいいというので、出窓の下に引っ越しです。次はイヌのちろーも入れるように犬小屋の前へ引っ越し……と仲間をふやしながら次々引っ越して……。(福音館書店絵本紹介より)
くろうま ブランキ―(伊東 三郎 再話 / 堀内 誠一 画 出版社:福音館書店)
クリスマスに起こった、心温まるお話。
黒馬のブランキーは、主人の家をつくるために一生懸命働いても、小屋も作ってもらえません。やがて年とったブランキーは、主人に力いっぱいたたかれて、道に倒れてしまいます。その晩、サンタクロースが天からおりてきて、しずかにその首をなでると……。フランスのフレネ学校の共同創作を原作とした、静かなクリスマス絵本。絵本作家堀内誠一の第一作です。
(福音館書店絵本紹介より)
おおきくなるの(ほりうち せいいち 作と絵 出版社:福音館書店)
小さいときの靴下、もうはけない。お姉さんの帽子、まだぶかぶか。わたしはみっつ。1,2,3,4……数えられるよ。花の種がどうなるのか知ってるよ。けむしが大きくなるとちょうちょうになるのも知ってるよ。これからどんどん大きくなるの。そうして何になろうかな……。“おおきくなる”ということをさまざまな面でとらえ構成した絵本。(福音館書店絵本紹介より)
ロボットカミイ(ふるた たるひ 作 / ほりうち せいいち 絵 出版社:福音館書店)
いたずら、わがまま、力持ちの紙ロボット。
たけしとようこは、段ボール箱でロボットを作ります。完成して、紙で作ったロボットだから、名前はカミイと名付けました。すると、カミイが返事をしました。「ぼくは、ひとになまえをおしえてもらうほど、ばかじゃない」 下がり目の泣き虫に見えるロボットは、実は、いたずらでわがままだったのです。そして、原っぱや幼稚園で、大さわぎをおこします。集団生活での子どもの心理を巧みにとらえた作品です。(福音館書店絵本紹介より)
◆「たろうのともだち」 渡辺 桂子 さく / 堀内 誠一 え 出版社: 福音館書店
この2冊はこどものとものシリーズ。保育園や幼稚園で配本されていましたよね。(こどものとも 1962年1月号)
(村山 桂子さん 作の1977年04月「たろうのともだち」のおはなしと堀内誠一さんの絵の違いにも2倍楽しめます)
◆「たろうのバケツ」 渡辺 桂子 作 / 堀内 誠一 画 出版社:福音館書店
こどものとも年中向き 1981年10月号
たろうは幼稚園で空き缶に針金を付けたばけつを作ってきました。うれしくなったたろうは、猫のみーやや犬のちろー、アヒルのがあこやニワトリのこっこにも、見せてまわりました。次の日、みんなが借りにきて、ニワトリはハンドバッグ、犬はぼうしにして……。おなじみの『たろうのおでかけ』のシリーズの最初の作品です。(福音館書店絵本紹介より)
かにこちゃん (きしだ えりこ 作/ ほりうち せいいち 絵 出版社:くもん出版)
0.1.2歳児さん向けに夏の絵本をさがしていたときに出会った「かにこちゃん」
この絵が堀内誠一さんの作品だったことが、何よりも嬉しい出逢いでした。
乳幼児向け「くもんのはじめてであうえほんシリーズ」第1弾では、岸田衿子さん、堀内誠一さんの優れた絵本を復刊されたそうです。
この他にも堀内誠一さんの携わった絵本作品はたくさんあります。
以下参考にしてください。
堀内 誠一(著者詳細情報) | 絵本ナビ | 作品一覧・プロフィール (ehonnavi.net)
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ーーー筆者紹介ーーー 宗藤純子(むねとうじゅんこ)
藤沢市在住30年。都内私立幼稚園教諭・主任9年を経て保育士・
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・鎌倉市産科診療所「ティアラかまくら」
・「子育ては個(性)育て。己育て」人間教育を軸に行政・
幼小中学生、年齢に応じた「いのち・こころ・からだ」
・保育者向け雑誌「POT」
・株式会社OfficeLadybird代表取締役
◆Web サイト:http://junkomuneto.com
◆子育ての会ベビーぴよぴよ012連絡帳
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